固定的知能観からの脱却
今回も「やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学」を参考に、リーダーとして部下の目標達成力向上に向けた指導へのエッセンスを考えていきます。これまでのnoteはこちらのマガジンをご覧ください。
今日は「第6章 「やり抜く力」を持つ」をテーマにしたいと思います。この章では、自分の可能性を信じ努力することの大切さを扱っています。
ここで紹介されている「GRIT」は同名の書籍がベストセラーになったこともあり、広く知られた言葉になりました。
ただ実際の部下のマネジメントに対してこのやり抜く力の重要性を投げかけるのは、もろ刃の剣の側面もあります。「どうせ私には無理だから」と自分の限界を決め努力を諦めている人は少なくないからです。
そうした観点で、本書でもスタンフォード大学の心理学者による固定的知観と拡張的知能観という2つの考え方が紹介されています。
固定的知能観とは個々人の能力は生まれ持ったものだという考え方で、「うまくいかないのは自分に才能がないせいだ」と陥る考え方です。一方拡張的知能観とは、経験や努力を重ねることで能力は得られると考え、「うまくいかないのは自分の努力や準備不足のせいだ」とする考え方を言います。
つまり固定的知能観を持ってしまっている人にいくらGRITの重要性を説いたところで、「どうせ私には・・・」という思考になってしまうわけです。どうせやってもダメだから努力もしない、だから結果も出ずやる気もでないので一層努力できないというこの負のループを抜け出すのは、至難の業でもあります。
実際この固定的知能観から拡張的知能観への変容の具体的な方法論は本書では示されていません。「銀の弾丸的」な万能薬は恐らくないのだと思います。
ただ、だからこそリーダーとして影響力を発揮する価値があるはずです。もしその負のループに悩む部下がいたら、人は誰しも自分次第で変わることができるということに身をもって気付かせてあげるべきでしょう。
それには経験上、1分間リーダーシップの実践による自信の創出が有効な手段の1つになるはずです。目標、称賛、修正のフローを高頻度に回しながら小さな成功・成長体験を提供きるように挑戦していただくことを提案します。
引用:新1分間マネジャー
この新1分間マネジャーは部下のマネジメント力を育成する上で非常に効果的な方法論です。よろしければこちらのマガジンも目を通してみてください。
お薦め書籍
部下の目標達成力を高めるための武器を一つでも多く手にしておきたいというリーダーに、もちろん自身のそれを更に高めたいという方にもうってつけの本です。何といっても簡潔で読みやすいのがお勧めです。
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