マネジメントスタイルの決め方
子供が成熟してゆくにつれて、最も効果的な親としてのスタイルも変化する。子供の「人生・生活習熟度」、つまり年齢とともに変わってゆくのだ。
「『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』 第4部 選手たち」より
ミドルマネジャーのための不朽の教科書と言える「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」を元に、マネジメント/リーダーシップを考えていく連続投稿シリーズ第14回目です。過去分は以下のマガジンをご覧ください。
唯一絶対のマネジメントスタイルは存在するか
マネジメントに多くのスタイルがあります。大きく二分すれば、自由放任型と詳細指示命令型でしょうか。また褒めて伸ばすタイプもいれば、厳しく育てるタイプもいるでしょう。最近は心理的安全性に配慮したり、個人の価値観を尊重するということが良く言われます。そうした様々な考え方を融合した形も含めると、千差万別であると思います。
ある程度マネージャー経験を積むと、自分なりのスタイルを確立したくなってきます。成功や失敗の体験から学んでいくことで、各自なりに最適化させていくわけです。
この時に注意したいのは、唯一絶対万能な正解の型を探そうとすることです。「私は崖から突き落として這い上がってくる奴を育てるタイプ」というような形で、一律的な主義主張を持てるようになることで、一人前のマネージャーとして成長ができた実感を得たいというのもあるのかもしれません。
最適なアプローチは部下の習熟度によって違う
ただ思い出したいのはマネージャーのゴールです。マネージャーが追い求めるべきただ唯一の目的は、チームのアウトプットを最大化することであると、「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」では繰り返し述べています。
そこから考えれば、自分が担当するチームによって、もっと言えば、そのメンバーによって、アウトプットの最大化に貢献できるアプローチはまったく違うのは当然なわけです。
「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」では、マネージャーのマネジメント・スタイルは、部下の「タスク習熟度」によって変えるべきだと述べています。
分かりやすく言えば、そのタスクに習熟できてないうちは具体的な指示が必要だし、一人で出来るようになれば任せるということですね。
厳しいとか優しいとか、仲良くなるとか一線を保つとか、そういった関係性の話は正直どうでも良くて、単純にその部下が与えられた仕事をこなすだけの力量がどれだけあるかで、管理の密度を変えるべきだということですね。
恐らく多くの人にとっては、極めて当たり前の話ではあります。ただこれマネジメントに慣れてきた人ほど、要注意です。自分が気持ちよい楽な管理密度に部下の個人差を問わず一律で合わせるというのは非常に乱暴だよ、ということですね。
たとえば1on1も、部下によってフォーマットは違ってよいはずです。頻度も1回の時間も、人によって変えたほうが良いかもしれないのです。決して好きか嫌いか、でやり方を変えてはいけないということですね。
大事なことは、自分基準ではなく、相手(部下)のタスク習熟度を基準にして最適なスタイルを模索し続けようということです。部下のタスク習熟度を正しく把握することは、常日頃一緒に仕事をしているわけではない部下の場合、非常に難しいのが現実です。試行錯誤しながら、部下一人一人の個別最適を計ることを目指しましょうというのが本書のメッセージです。
人は自身の振る舞いを意外にわかっていない
ただ現実はやっかいなことがあって、マネージャーは(というか人は)、自分で自分の振る舞いをあまり正しく分かっていないということなんですよね。本人は細かく指示を与えているつもりなのに、部下からすると「方針だけ言われて後は放置された」と思われている、なんてことが意外に起こります。武井壮さんが良く話される自分の思い通りに自分の体を動かすという話によく似ています。とても参考になるお話なので、よろしければ以下の動画をご覧ください。
つまり、自分がどう思っているかではなくて、自分の意図通りに自分が動けているかを常に疑っておく必要があるわけです。
マネジメントにおいては、自分の感覚と実際の行動や相手へのインパクトにギャップがないか、常に気を付けておきたいですね。
まとめ
・部下のタスク習熟度によってマネジメントスタイルは変える
・自分が自分の期待するスタイル通りに振る舞えているかも常に疑う
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以上、書籍「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」から、マネジメントスタイルの決め方について考えてみました。
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