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在宅療養何でも相談室

 たんぽぽクリニックの電話が今日もまた鳴っています。「○○病院連携室です。退院する患者さんの訪問診療をお願いします!」
 病気や障がいを抱えた入院中の患者さんが自宅に戻られる時、入院前とは変化した生活の再構築が必要となります。このような患者さんの紹介を最初に引き受けるのは、当院の「在宅療養なんでも相談室」です。当院では在宅医療機関の中でも全国に先駆けて、この相談室を設置しました。「在宅療養なんでも相談室」には、看護師、医療ソーシャルワーカーが在籍しています。たんぽぽクリニックの在宅医療は、すべてここから始まります。この相談室からの情報をもとに各部署の代表者らとミーティングを重ね、患者さんが望む療養生活を目指して動き始めるのです。
 「在宅療養なんでも相談室」には年間500人近くの方が紹介されてきます。当院に一番多く紹介をいただくのは医療機関です。全体の約半分を占めます。その多くはがん末期や神経難病などの病状の重い患者さんです。二番目はケアマネジャーからで、介護度の高い患者さんが多いのが特徴です。三番目は高齢者施設からの比較的安定している患者さん。四番目は本人やご家族からの直接の相談です。本人やご家族からの場合は、介護度や病状は軽度から重度まで様々です。それ以外では地域包括支援センター等があります。
 「どうすれば在宅医療を利用できるのですか?」と地域住民の方からよく質問されます。入院中や外来通院中の方は病院の地域連携室に相談されるのがよいでしょう。既に在宅で療養されている方はケアマネジャーや地域包括支援センターに相談されてはいかがでしょうか。もちろん、ご家族が直接問い合わせされても構いません。「在宅療養なんでも相談室」は、在宅医療に関することなら何でも気軽に相談できることを目指しています。実際にホームページを見て、北海道から沖縄まで全国からの相談を頂いています。
 現在は8割の人が病院で亡くなられる社会です。病気や障がいのある方が安心して療養できることを求める「病院の時代」だからこそ、在宅における療養でも、同じように「不安を取り除くこと」が大切です。在宅では実際にどのような療養生活を送ることができるのか、病院の医療従事者にも、患者さんやご家族にも知ってもらいたいと思います。住み慣れた自宅で、生きがいを持ちながら安心して生活する姿を想像し、そこには在宅医療という選択肢があることを、なんでも相談室を通して伝えていくことが、私たちの使命だと思っています。

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