詩宮殿に鍵盤の鳴る
才ある者たちは
富にも名聲にも興味がない
生まれながらにして
己の價値を識つてゐるからだ
勇ある者たちは
誇りと知性を友にする
どんな敵にも兵器にも
それらは殺せないからだ
皆を励ます者は
低きも高きも經驗する
經驗しなければ
他者の思いを理解できないからだ
眞に氣位の高い者は
世辭にも端金にも靡かない
自らを安賣りすることを
何よりも憎惡するからだ
わたしはわたしの價値を
理解しない者たちと話さない
彼らはわたしに觸れられもしない
わたしを變へることも
わたしを脅かすこともできない
周りを理解者たちが固め
寶物を守らんと矛を立ててゐる
美しい音が鳴り
言の葉が空を埋め盡くすほど
降り續いてゐる
詩を詠むことは
未來を創造することだ
音が光り 更に增大する
わたしは明るい未來を望み
身體を緩めて微笑む
ひかりが淸めていく
血と淚と怒號に滿ちた過去も
惡しき策略も 魔の計畫も
ひとびとが變はる
優しきことは優れてゐることだ
誇り高くあることだ
いつどんな時にも
誇りこそ偉大さへ續く
唯一の扉であるのだから