見出し画像

【超主観】エンジニアからみたSESのメリデメと雑感

コードベリー牧野です。

冒頭宣伝です。
弊社ではこのような取り組みをしています。ご興味ある企業様、エンジニア様はお気軽にお問い合わせください。

では本題です。

タイトルの件、しがないエンジニアの立場から書いていきます。

記事を書こうと思った背景

ちょっと前に僕のTweetがすこーしだけみなさんの関心を引きました。
バズるには程遠いですが、いろんなご意見を頂き貴重な機会となりました。
このTweet自体は読んだ人が自分の思いを投影してくれればいいので、僕の意図説明は不要と思っています。

SESの話題となると弊社代表のTweetは僕より遥かに盛り上がった。

SESはTwitterで関心が高いなぁと感じていましたが、一段落したところで、こう思うようになりました。

僕も含めた業界の人が、「自分の周りとその少し先までの世界」をSESの普通と考えてる気がする
比較的狭い世界の中でそれぞれがSESを考えているのでは

あのTweetは僕の感覚値だし、今回思ったこと自体も感覚値。
Google先生に「SES 調査」とか「SES 統計」と聞いても、珍しく的はずれな回答が返ってくるだけで業界全体のことはきっと誰も知らないんですよね。

業界を良くするぞ、というようなことは身の丈に合っていないと思いますが、もし"SESをよりよくしたい"と思っている人がいるのであれば同じ方向を向いたほうが幸せな人が増えると思います。

本当は統計が取れると一番よいですけど、今すぐにできることとして僕が感じるSESのメリデメと雑感を主観で書いて共有することにしました。

ではさっそく。

ここでいいたいこと

SESには当然メリットもあり、大事なのは使い方
SESの仕組み自体は悪くないが、思考停止の営業やエンジニアを生み出しやすい構造ではある。
そのため、エンジニアとしてキャリアを築く上でSESで働く場合は目的をしっかり持つことが大事

SESとは

System Engineering Serviceの略です。こちらの説明が分かりやすいです。
エンジニアリングのリソースを提供する代わりに、対価をもらうビジネスです。
※認識合わせのため念の為。

前提

僕はSESというビジネスを否定していません。むしろ感謝しています。
なによりこの経験をSESで得ることができました。

今お仕事のベースとしている汎用的なスキルはほぼここで身につきました。普通に過ごしていたら僕なんかが一緒に仕事できないような人たちと仕事できたので、SESだからこそ得ることができたと考えています。

SESの仕組みにすごく感謝しています。

SES営業に対する僕の立場

少し逸れますが雑感なのでこちらについても書いておきます。
SES営業については賛否ありますよね。よく聞く疑問は簡単に言うとこれですかね。

誰のどんな課題を解決してる人たち?

この背景には、

・SESのお客さんの本質的な課題や実情はITやシステム開発に関連することである
・ITリテラシを有したエンジニアが現場に入らないと本質的な課題や実情は分からない(スキルがないと理解できない)
・SES営業のITリテラシが低い
→この3点からSES営業が開発現場の課題解決ができているのだろうか
論理的に考えると、課題解決出来ないよね

ということがあるかと思います。少なくとも僕の知る・聞く限りではこのような人たちしかいない印象です。

僕の考えとしては2つの思いがあります。

・上記の意見に概ね同意
・一方で、まったく新しい現場参画のチャンスをもらい感謝している

2点目については運が良かったの一言ですが、きっかけを自分で作れるわけがなかったのは明確な事実なので皮肉でもなんでもなく、率直にとても感謝しています。
そのため、SES営業という役割自体を否定する立場ではありません。

エンジニアの僕の立場としては、

・エンジニア視点での信頼できる情報が全くない現場にSES営業経由でエンジニアを入れる営業手法をやめるべき
・エンジニア出身者がSES営業をやるべき

です。
情報がゼロの現場に自社のエンジニアを投入するのは会社にとっても従業員にとってもデメリットでしかないと思います。

僕および周辺のSES環境

いまこれを読まれている方が自身と比較できるよう、どのようなSES道を歩いてきたか簡単に書きたいのですが、秘密保持契約がある関係でオープンに書くことができません。というか、過去の現場でどういう秘密保持契約を交わしたか忘れてるので控える、が正しい笑(ここがデメリットではありますね)

ざっくりいうと、10年弱で3現場ぐらいです。同じプロジェクトの中で役割が変わっていくことは多いですが、1つ1つが長いです。
もともと僕のSESエンジニアとしての考え方は、ずっとお客さんに必要とされるぐらいに価値を発揮することが大事、と思っており、なんとか実践してこれたかなと思っています。
なお、現在もSESで客先にでています。

他に言えることだと、こんな感じですかね。

・契約は準委任で、超過控除精算と固定単価が半々くらい
・SESエンジニアなりたての時はSES営業がいて単価とか知らなかった
・4年目くらいから自分で単価交渉を始めた
・経験年数を基準に単価交渉したことはない
・半分くらい商流は浅い、もう半分は無知だったため不明
・概ね、労働環境がよい(残業は自分のスキル不足で200hを何度か超えた程度、もちろん例外あり)

僕の周囲で聞くSES環境もこんな感じですが、知人の少し離れた現場の話だともっと悲惨な話も聞きます。
まさしくこれが"記事を書こうと思った背景"に記載した、少し先までの世界しか見えてないところかなと思い、他にも星の数ほど現場があるんだと思っています。

お客さんに囲われるのはSESの一つの勝ち筋なので、囲われていると長い期間変化のない環境に身を置くことになり、似たような情報だけが入ってくるようになると思われます。これは一つの弊害かもしれない。
一方で、プライマリベンダのプロパから他の現場の話も聞けるようになります。僕はいままさにそうです。
発注側からSESへのリアルな感想を聞いている、とも捉えることができます。どちらが事実に近いのかまだ判断つかずです。

メリット、デメリットの判断基準

僕は、エンジニアとしての成長を目指している当時、市場価値をとても強く意識していました。SES以外も含めてどこに行っても戦力になれることが大事だなと。(事業会社に転職して全然ダメだったことが分かりましたけど笑)
その後、発注サイドの開発チーム以外にも携わることができて今はこのように考えています。

システムはビジネスするためのいち手段

また、ビジネスというのは誰かの課題を解決して対価をもらうことだと、最近は思っています。
なので、僕の中のエンジニア像は

作ることを目的とせず、なにかの課題をITスキルを駆使して解決する人

です。
SES以外の開発現場でも活躍できる土壌を持つ人になりたい、とした場合を基準にSESで働くメリデメをだします。超主観なのでこれを念頭に置いて後述を読んでくださいね。

ちなみに、言われたことだけしかできないエンジニアは、今後(もうすでに)激しい競争に晒されると思います。
こちらに軽く書いているのでよろしければ。(長いですよ、、、)

では前置き長くなりましたが本題です。
特筆すべき点だけ補足します。

メリット

入社できないような会社の仕事ができる(人、仕事どちらも)
ビジネスマナーや交渉などのビジネススキルを学べる
大きな会社の現場に入ると正しい仕事の仕方を学べる
いろいろな現場のやり方(主にアンチパターン)を学べる

これらはあくまで現場に出て主体的に動くことが前提です。SES以外の職場でも受け身でいては何も得られませんよね。

人様の現場なので、当たり前のマナーは身につくと思います。

また、お客さんや他パートナーがいる中で、自分の仕事をコントロールすることが必要です。ほどよいプレッシャーの中で仕事の進め方は身につくと思います。

それから、僕のように自分のレベルでは入社できない会社で優秀なプロパと仕事できることも魅力ですかね。ここは商流と運の要素が強いですけど。やっぱり、大企業にいる人の多くは優秀です。
僕はプライマリの立場ではなかったですが、発注側のプロパ、ベンダー側のプロパとそれぞれいい関係を作ることができて、今でもそれは財産になっています。

大きな企業だと、開発プロセスや作業手順、マニュアルなど洗礼されていることも多く勉強になります。

デメリット

思考停止しやすい
運の要素が大きい
システムを使うユーザの顔が見えにくい
自分のキャリアをオープンに話せない

僕は1点目が非常に大きなデメリットだと思っています。
工数管理され、やることは基本的に上から降りてくるので思考停止しやすいかなと思います。

「これは私の仕事ではありません」
「工数が足りません」

発言自体は正しいですが、これが当たり前になるとSES以外の開発現場ではおそらく活躍できません。
中堅社員がSIerからベンチャーなどに転職して失敗するパターンとしても聞きます。

また、大きなシステムだとシステムを使う人の顔はほぼ見えないので他人事の開発になりやすかったり、この前Twitterで話題になったフリーだから責任感なくなっちゃうマンもでてきますね。
(精神的にいいことではありますが、エンジニアとしての厳しさは得られないかなと思います)

SESで開発していると、障害が起きても直接詰められたり怒鳴られたりすることはほぼないので、開発することに対する感度は低くなりがちだなと思っています。

技術力について

正直、個人差だと思います。
現場の技術がどうこう、と言っているだけの人はたぶんどこにいっても同じことを言います。
僕は何人かスペシャルな人を知っていますが、SESで普通に働いており、現場以外で開発したりしていました。(その人たちはほとんどはもうSESを卒業しちゃいましたけど…)
SESは今のところ技術的にそこまで秀でてなくてもやっていけるので、向上心が低い人でもなんとなくやれるため、自己研鑽のお尻を叩かれない分、できる人とそうでない人の差が激しいということはあるかもしれません。
また、技術的に高い人はSESを辞めていってしまう傾向にあるので結果的に残ってきた向上心の低い人ばかりが残っていく構造だとは思います。

まとめ

このように書いてみましたが、SESでエンジニアとして働かれているみなさんの感覚となにか違いはありましたでしょうか?

最初に書いたように、メリットもデメリットたくさんあると思っています。つまり、他のお仕事と一緒で、自分がどうするか、だと思っています。
(当時僕はあまりできてなかったですが)SESにいようがいろいろなエンジニアと接点を持ち、自分の位置付けを常に確認するというのがとても大事だなと思います。
SESの世界だけにいるとよほど意思が強くない限り、思考停止してしまうように思います。

今後、いろいろなSESの人たちとお話して業界をもっと知っていきたいと思います。

最後に、市場価値を軸にSESを考えるとき、よく考えていたし今も考えます。

SESやり続けて、最後はどこにたどり着くの?

最後まで読んで頂きありがとうございました。
誰かの役に少しでも役立てば幸いです。

いいなと思ったら応援しよう!