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”動的体系で見る”「よみがえる戦略的思考」佐藤優著
国際的な国家間関係を読み解くに、「価値の体系」「力の体系」「利益の体系」という3つの力の総合的な関係性から見る必要があると著者と説く。
民主主義対全体主義といったイデオロギーで見る「価値の体系」、国力の差という現実路線で見る「力の体系」、そしてエネルギーのやりとりという損得勘定で見る「利益の体系」、複眼的に見ないと国を誤ると主張する。
高坂正堯からの引用で、「各国家は力の体系であり、利益の体系であり、そして価値の体系である。したがって、国家間の関係はこの三つのレベルの関係がからみあった複雑な関係である。国家間の平和の問題を困難としているのは、それがこの三つのレベルの複合物だということなのである。しかし、昔から平和について論じるとき、人びとはその一つのレベルだけに目を注いてきた。」
太平洋戦争は、肥大した「価値」の体系が「力」「利益」の体系を抑え、開戦に至り、ウクライナ戦争もまた、一つの視点に偏ることで膠着しているのかもしれない。