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”パターンを読む”読書note69「未来に先回りする思考法」佐藤航陽

テクノロジーの変化が著しい時代には、先を読む力が必要であり、そのための見方を説いてくれる本である。その基本的な方法は、AIのそれと通じる。

➀学習
➁パターン認識
➂予測
④実行
という4つのプロセス

ここの➀の学習は、まずやってみるという試行錯誤だと言ってよい。学習をするデータはいくらでも手に入る環境にあるのが現代ということかもしれない。誰でもパターン認識をして予測できる環境はあるが、それができる人間こそが「世界が変化するパターン」を知る0.1%となれるのか?

そんなパターン認識の法則が重要としつつ、それに過信しすぎてもいけないというエピソードが面白かった。

ユーザー一人一人の特徴に合わせたパーソナライズサービスの提供を機械と人間に競わせた話。最初の数週間、高い効果を上げたのは、経験が武器のマーケティング担当者(人間)だったそう。しかし、2ヶ月以上経つと、システムが自動で配信した方が圧倒的に費用対効果が高くなったそう。システムは扱うデータが膨大であればあるほどパーソナライズの精度が上がった。が、後日談があり、システムは過去の行動歴から確率が高いターゲット層のみに広告を配信していき、ターゲット数が減っていったそう。

つまり、学習するデータがなくなり、機能しなくなったらしい。行動に表れていない潜在的な顧客を探すことはシステムには出来なかったということ。人のやることもまだまだあるなとホッとするエピソードである。

google社では、「20%ルール」という社員が業務以外の好きなテーマに取り組んでよいとするものがあるそう。(割と日本の会社でもそんな取組をしている所は多いと思う) これは、新テーマやアイデアを探すためだったり、創造性に溢れた社員を引き留めるための人事戦略として語られることが多いが、それ以外に、企業の「リスクヘッジ」のためのものというのがgoogleの答えだそうだ。

市場の変化は非常に速いので、トップが意思決定を間違えば、途端に時代に乗り遅れるリスクがある。だから、数万人の社員の20%の時間を社員の意思決定に任せることで、トップが間違えても、20%の中に正しい選択があれば企業は存続できると考えている。 


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