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”宇宙の原理は数学という言語で記述されている”読書note110「宇宙は数式でできている」須藤靖著

久々に好きな宇宙と物理の世界に浸かりました。

なぜこうも自然現象を都合よく数式で表現できるのでしょうか?
あのアインシュタインですら、この不思議さに驚いて、「経験とは独立した思考の産物であるはずの数学が、物理的実在とこれほどうまく合致するのはなぜか」と述べているほどです。

同書

 ニュートンが創り上げた物体の運動に関する物理学の体系は、ニュートン力学と呼ばれ、近代科学の礎となりました。あえて科学的でない表現を用いるならば、「神様が世界がどう振舞うべきかを定めたルール」を発見したわけです。しかし、これではまだ、物理学者は満足できません。なぜ世界はこの法則に従っているのか、そもそも二つの物体間に万有引力が働く理由は何か。ニュートンの法則は、それについては何も答えてくれません。
 この例は、「法則」が実はエンドレスな構造をしていることを意味します。決して天才ニュートンの責任ではありません。そもそも科学とは、ある謎が解けた瞬間に、さらにより根源的な謎が明らかになるという性質を持っています。その意味において、科学に終わりはなく、いつまでも果てしなく続く謎解きと発見の旅なのです。

同書

科学の奥深さということですね!

 ニュートンが発見した法則は、この世界の空間がユークリッド幾何学で記述されることを前提としていました。これに対して、非ユークリッド幾何学を前提として構築された理論が、アインシュタインの一般相対論です。一般相対論は、ニュートン理論とは矛盾する多くの観測事実を見事に説明します。これは、ニュートン理論が間違っていたというよりも、この世界に対する近似理論に過ぎなかったと表現するほうが適切です。
 同じく、一般相対論はすでに100年以上にわたる様々な検証の結果、その正しさが認められてきた理論ですが、将来、一般相対論も厳密なものではなく近似理論だったことがわかるかもしれません。

同書

ずっと続いていくということ。

 物理法則は、すべての人間どころか、まさに森羅万象が逆らうことのできない普遍性を持っています。とすれば、それは我々の脳の中に存在するような局所的なものではないはずです。さらに素粒子のような物質の最小単位ですら法則に従っているという事実は、法則が個々の素粒子にびっしりと刻まれたようなものではありえないことを意味します。
 つまり、法則は個々の物質に付随しているものではなく、この世界が全体として共有しているものでなくてはなりません。

世界を法則というフォースが支配しているようなイメージか?

 科学とは、先人たちが得た結果を出発点として、さらに優れた理論へと絶えず発展し続けるという著しい性質をもっています。
 ニュートンは、科学が蓄積的に進歩できるという特徴を「巨人の肩に乗る」と表現しています。

同書

Google Scholarの扉に書いてあるコトバだね。

 我々が知っている地上のすべての物質は元素(バリオン)からできています。この地上の物質と宇宙を占めている物質は同じだと予想するのは当然でしょう。にもかかわらず、元素は宇宙のわずか5%を占めているに過ぎません。つまり、宇宙の95%は我々がいまだかつてみたことのない正体不明の成分からできているのです。

同書

まだまだ、解明されていない宇宙、という謎が提示されて、、、、、これまでの科学の長い道のりでまだ5%かという茫漠とした気持ちに、でも、科学のすごさを理解できないけど、見せてもらったことに感動する本です。


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