管理職とリーダー考
本年度は行政の方と話や議論をすることが多くなって、管理職の在り方、リーダーの在り方について考えてみる機会があった。
地方の自治体の若手の人たちから、「上に提案を持っていっても、否定されるばかりで前に進まない」「ダメ出しばかりで辛い」といった声が聞こえてきた。これは一体どういうことだろうか?
同じ部署の上司と部下、同じ目指すべき目標に向かっている同志ではないのか? むしろ提案ができないことに最も責任を感じるべき立場が管理職なのではないのか?
まだまだ昔ながらの管理職のイメージで居座っている人が多いのかもしれない。
管理職がマネージメントするのは、人(ヒト)ではなく、仕事(コト)なのだ!! ○○部の長ではなく、○○の仕事を前に進める責任者(長)なのだ。
管理職=マネージャーではなく、管理職=リーダーであることが求められる時代なのである。
維持管理ではなく、開拓が求められる。
チェック統制ではなく、チャレンジが求められる。
問題を起こさないのではなく、事を起こすことが求めらる。
リーダー=船長こそが、これから求められる管理職の姿なのだ!
昔、書いた本(共著)「マーケティング部管理者に仕事」の中でこんな表現をした。
組織の「道しるべを作っ」て「お膳立てをし」、「舵取り」をする。そして、それを可能にする「チームを作る」ことが、管理職の仕事である。仕事(コト)を進める中に、人(ヒト)作りが含まれるのである。
編集長という仕事は、編集部長とは言わない。部の人をまとめるだけが仕事ではないからだ。どんな雑誌を作って届けるかという船の動かして、目的地へ行くことが仕事だから。
船長のようなリーダーであるべき管理職は、どんな風に部下と接していくべきか?イメージを描いてみた。
冒頭紹介した地方自治体で見かける管理職は、左図のように、上からの指示を受けて、それを下に伝え、仕事を分配し、それをまとめるだけの仕事しかしない。だから、部下たちと向かい合っている。上からの指示を自分なりに部門の課題としてかみ砕いて指示するならまだましだが、右から左へただスルーするだけの言いなり管理職も多いように見受ける。それでは、なぜ、その仕事が必要なのかの”WHY”も話せないだろう。
これからの管理職=リーダーは、右図のように、部下と同じ方向を見て、先導することが求められるのだ! 背中を見せて、自ら前へ進む姿勢が必要なのだ! そして、メンバーに対して、後方やサイドからフォロー、ケア、育成をする多角的なサポートも出来ないといけない。これからの管理職は真のリーダーでなければつとまらない仕事なのだと思う。
VUCA(ブーカ)と呼ばれる予測不可能な時代だからこそ、昨日と同じ維持をするだけの管理職は要らない。虫の目、鳥の目、魚の目で未来を仮説し、行くべき道を指し示し、必要なヒト・モノ・カネを調達し、そして、船の舵取りを行う、そんなリーダーがこれから必要とされる。
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