”人は非合理的に行動する”読書note62「東大教授が教えるヤバいマーケティング」阿部誠
タイトルからすると、キャッチ―でイケイケな内容を想像する。確かにオレンジの文字色や背景を使ったりして、体裁もイケイケではあったが、割と面白く読んだ。「マーケティング✖行動経済学」といった内容だった。一つ一つの理論や法則に具体的な例示を示して解説してくれているので、分かりやすく、学生向けの授業でも使える、という感想を持った。
実は、消費者行動論という授業の最後で、学生に向けて「社会で使える消費者行動の法則や理論」として、紹介しているものがほとんど網羅されていた。
ここに挙げたほとんどが解説されているので、興味ある方は本を手に取ってみてください。
他に気になったキーワードを紹介したい。
・損失回避性 人は利得より損失に強く反応する。プロスペクト理論につながる。
・取引効用理論 サービスの売買からもたらされる満足度(全体効用)は、製品・サービス自体の価値「獲得効用」とお得に買えたかなどの購買時点の評価「取引効用」の和になっている。営業マンの役割は「取引効用」を作ることにあるかもしれない。
・バンドワゴン効果、スノッブ効果、ヴェブレン効果 「人が持っているもの、人気のものが欲しい」バンドワゴン効果、「他人と同じものはいや」のスノッブ効果、「価値が高いものを所有して自慢したい」ヴェブレン効果。3つはトリオで説明すると分かりやすい。ヴェブレン効果を追加しよう。
・意思決定の二重過程理論 人は情報処理に関する2つのタイプを使い分ける。一つは熟慮型--システマチックで合理的論理的な判断。もう一つは直観型--ヒューリスティックで経験的で情動的な判断をする。