映画MINAMATA
本日、世界に遅れやっと日本で公開になった映画MINAMATAを観た。
あっという間の1時間55分だった。
画像は映画用パンフレット。写真家の映画だけあって、とてもいい表紙。
ユージン・スミスの写真集『MINAMATA』をじっくり見たのは2019年の12月。府立図書館の大型本の所に置かれた分厚く大きな本だった。
写真だけでなく、ユージンの文章も書かれてあった。(2021年新しいバージョンも出版された)
以下、それを見て塔に発表した歌。
美しくつたう涎の一筋が我を見ており『MINAMATA』繰れば
写真集のなかの患者さんの、曲がった身体や指、口から垂れた涎も美しく愛おしく見えた。
漢字よく知らねどユージン「怨」の字の風に流るる旗を撮りけり
水俣病闘争の象徴的な幟りの「怨」。あれは石牟礼道子さんの案ではなかったか?と記憶する。映画では、漢字の部分を間違えないように細心の注意が払われたという。
被写体のおみなを好きになることもありつつ1000日水俣撮りき
ユージンの文章より作った一首。
虫食いのごとき腐食の断面が普通の脳と並べられおり
水俣病は、工場排水からのメチル水銀による中毒性中枢神経疾患である。その脳の写真も資料としてのっていた。
映画はフイルム写真時代の話なので、暗室の場面が何度も出てくる。今のカメラの手軽さとは大違いだ。
ユージンが水俣に持ち込んだカメラを特定するため、映画スタッフは彼の税関申告書を探したという。私にはわからないが、何種類ものカメラがスクリーンに登場した。シャッター音がかっこいい。
またキャスト、スタッフ責任者全員に水俣病やユージンに関する400ページもの資料が配られたという。
何か見落としていそうなので再度観に行けたらと思う。また歌にも詠んでみたい。