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「ショウタイムセブン」には荒唐無稽とリアルが混在していた


「ショウタイムセブン」を見ました。主演の阿部寛さんの演技が圧巻!!日本の宝です!!本作のストーリーは一見荒唐無稽に思えるものの、テレビ局の内部描写が非常にリアルで、業界を知る人なら共感できる部分が多いと感じました。

昔ちょこっとテレビ業界に関わっていましたが、視聴率の数字が至るところに貼られ、それを巡る激しいやり取りが日常的に繰り広げられている現場の様子は、本作で描かれている世界と大きく変わりません。そのため、フィクションでありながらも、業界の現実を鋭く突いた作品になっていると感じました。

周囲のキャストの演技がやや大げさで、シーンによっては素人っぽく感じる場面もありました。特に、一部の場面は少しコミカルに映り、意図的なのかどうかは分かりませんが、観客から失笑が漏れるようなシーンも見受けられました。

クライマックスの阿部寛さんのセリフ回しについては、賛否が分かれる終わり方だったと思います。しかし、テレビに出演することの中毒性や、それによって人格が崩壊していく危険性を強調しており、実際に業界を経験したことがある人にとっては非常に共感できる部分だったのではないでしょうか。「イカれている」というセリフが印象的で、テレビの世界に身を置くことの狂気や恐ろしさを象徴しているように思いました。

全体として、現実と虚構が交錯する独特の世界観が描かれた作品であり、テレビ業界の裏側に興味がある人には特に響く内容だったと思います。ネタバレを避けるために詳しくは語りませんが、視聴後にはさまざまな考察が浮かぶ作品でした。

この映画について

映画『ショウタイムセブン』は、2025年2月7日に公開されたサスペンス・エンターテインメント作品です。本作は、韓国映画『テロ,ライブ』を原作とし、日本版としてリメイクされました。監督と脚本を手掛けたのは『岸辺露伴は動かない』シリーズで知られる渡辺一貴氏です。

物語は、元人気ニュースキャスターの折本眞之輔(阿部寛)が主人公。彼は国民的ニュース番組「ショウタイム7」を降板させられた後、ラジオ番組のパーソナリティーとして活動していましたが、ある日、爆破犯からの脅迫電話を受け、命懸けの生放送交渉に巻き込まれます。この事件を機に、折本は「ショウタイム7」への復帰を目指しますが、犯人の巧妙な罠やスタジオ内の爆弾によって状況は悪化。彼の隠された真実が明らかになる衝撃のラストが待ち受けています。

キャスト

  • 折本眞之輔(主人公): 阿部寛
    元人気キャスターで、事件の交渉役に指名される。

  • 安積征哉: 竜星涼
    「ショウタイム7」の現メインキャスター。

  • 結城千晴: 生見愛瑠
    新人アナウンサー。

  • 東海林剛史: 吉田鋼太郎
    番組プロデューサー。

  • 伊東: 井川遥
    折本のかつての盟友である記者。

特徴と見どころ

  1. リアルタイムの緊張感
    映画は、テレビ局のスタジオを再現し、複数のカメラで同時撮影を行うなど、ライブ感を徹底的に追求。10分以上の長回し撮影も取り入れられ、視聴者がまるで事件の目撃者になったかのような臨場感を体験できます。

  2. テーマとメッセージ性
    報道の倫理やメディアの在り方を問いかける内容が特徴です。主人公の折本は、善悪が曖昧な「灰色のヒーロー」として描かれ、視聴者に「真実とは何か」を考えさせる作品となっています。

  3. 犯人役の謎
    犯人役のキャストは公開直前まで伏せられており、SNS上で多くの予想が飛び交いました。犯人役の俳優は、声だけの出演シーンでも現場に足を運び、阿部寛との掛け合いを通じてリアリティを追求しました。

  4. 音楽と演出
    テーマソング「Human Factory」はPerfumeが担当。映画のクライマックスを彩る楽曲として、物語の緊張感をさらに高めています。また、Perfumeは映画内にも出演し、作品に新たな魅力を加えています。

制作背景

本作は、韓国映画『テロ,ライブ』のリメイクとして、原作へのリスペクトを保ちながらも独自のアレンジを加えています。特に、現代の日本社会における報道の役割や視聴者のメディアリテラシーをテーマに据え、原作を超える新たな視点を提供しています。

『ショウタイムセブン』は、緊迫感あふれる98分間のサスペンス映画であり、報道の裏側や人間の本質に迫る深いテーマを持つ作品です。阿部寛をはじめとする豪華キャスト陣の熱演や、リアルタイムで進行するストーリー展開が見どころとなっています。

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