
費用ゼロで自費出版する方法があった!
英語学習者向け参考書の著者として長年活躍し、数多くの著書を世に送り出してきた杉山一志(すぎやま かずし)先生。今回は、安河内哲也(やすこうち てつや)が杉山先生にインタビューし、近年注目を集めている「Amazonダイレクト出版」について詳しく伺いました。これまでの出版方法とは異なる、この新たな手法の魅力や仕組み、出版にかかるコストや利益について語っていただきます。

安河内哲也(Y):
杉山先生はこれまで、多くの英語参考書を出版されていますよね。一般の出版社から出された著書は、どれくらいの冊数になりますか?
杉山一志(S):
共著や監修、改訂版も含めると、大体70冊以上になりますね。
Y:
70冊以上!すごい数ですね。そして、一般の出版社だけでなく、Amazonダイレクト出版でも多くの本を出されていますよね。
S:
はい、そうですね。
Y:
Amazonダイレクト出版では、どのくらい出版されているんですか?
S:
4年ほど前から本格的に取り組んで、今のところ40冊近く出版しています。
Y:
コロナ禍での執筆がきっかけだったんですね。それにしても、すごいペースです。これらの本は、どんな内容が多いのでしょう?
S:
主に高校生や大学受験生向けの英語学習参考書です。もちろん、社会人にも役立つ内容を意識しています。
Y:
そもそもAmazonダイレクト出版について、詳しく知らない方も多いと思います。今ここにある先生の本は、紙の本ですよね。デザインや仕上がりも、普通の本屋に並んでいる参考書と変わりません。これがAmazonダイレクト出版で作れるんですね。
S:
はい。パソコン1台で、紙の本も電子書籍も同時に出版できます。Amazonのサイトで購入できますよ。
Y:
じゃあ、購入者が「杉山先生の参考書が欲しい」と思えば、Amazonで注文して、紙の本が手に入るんですね?
S:
その通りです。Amazonは在庫を持たず、注文が入るとその都度印刷して発送する「オンデマンド出版」になっています。
Y:
なるほど! 在庫を抱えなくていいのは画期的ですね。注文してから、どれくらいで届くんですか?

S:
大体3日ほどで届きます。
Y:
すごい技術革新ですね。ところで、気になるのは印税ですが、Amazonダイレクト出版ではどのように利益が分配されるのでしょうか?
S:
印刷コストがまず引かれ、その後の利益をAmazonと著者で分ける形です。具体的には、ページ数や仕様によって印刷コストが変わり、その分を差し引いた金額が利益になります。
Y:
ということは、一般の出版社よりも印税率は高いということですね。
S:
そうですね。ただし、営業や宣伝活動は自分で行う必要があります。
Y:
なるほど。タイトルや表紙デザインを自由に決められるのは大きなメリットですね。
S:
はい。自分のアイデアを形にしたい人には、とても良い方法だと思います。
Y:
でも、出版するのは難しそうな気がします。
S:
以前は難しかったですが、今はWordで書いた内容をそのまま本にできるようになっています。修正も簡単で、出版後でもすぐに内容をアップデートできますよ。
Y:
在庫がないからこそ、修正がすぐできるんですね。それは著者にとっても読者にとってもありがたいですね。
S:
そうなんです。一冊の本を「育てていく」感覚です。
Y:
今の話を聞くと、誰でも気軽に出版できそうですね。以前の自費出版はかなりの費用がかかりましたが、Amazonダイレクト出版なら、ほとんどコストがかからないんですね。
S:
はい。特別なツールを使わなければ、ほぼ無料で出版できます。
Y:
「自費出版」ならぬ「自力出版」といえますね。杉山先生、これからもこの方法を多くの人に広めてください! 今日はありがとうございました。
S:
こちらこそ、ありがとうございました。
今回のインタビューでは、杉山一志先生が実践するAmazonダイレクト出版の魅力や仕組みについて詳しく知ることができました。従来の出版に比べてコストを抑え、高い印税率が期待できる反面、宣伝活動を自分で行う必要があります。技術の進化により、出版のハードルは下がり、誰でも気軽に「自力出版」ができる時代になりました。これからも、ますます多くの人が自分のアイデアを本として世に送り出すことが期待されます。
こちらも読んでくださいね!