結局アクティブラーニングって何よ?
今日はジョー先生と東京都主催の講演をやりました。せっかくなので、待合室でインタビュー。
情報経営イノベーション専門職大学、通称 iU(アイユー)で教鞭をとるジョー・ハッグ(Joe Hug)教授にインタビューを行いました。iUは、情報技術と経営、そしてイノベーション教育を融合させた、これからの時代を担う人材を育成することを目的とした新しい形の大学です。
ジョー教授は、アクティブラーニングを基盤にした教育法で学生の学びをサポートし、現代社会の変化に柔軟に対応できる人材の育成に取り組んでいます。彼の授業では、問題解決型学習(Problem-Based Learning: PBL)やグループディスカッションが積極的に取り入れられ、学生たちは主体的に考え、発言し、行動することを求められます。
また、AI(人工知能)の普及に伴い、技術スキルだけでなく、リーダーシップや人間性(キャラクター)が今後ますます重要になると語るジョー教授。インタビューでは、アクティブラーニングの実践方法、教育現場でのAI活用、そして未来を生き抜くためのスキルについて、じっくりとお話を伺いました。
アクティブラーニングとは?その理念と実践
安河内(やすこうち):ジョー教授、iUの学生たちは非常にアクティブに学んでいると聞いています。授業でアクティブラーニングを実践するための工夫や、学生が主体的に学ぶための秘訣は何でしょうか?
ジョー・ハッグ:私の授業では、いわゆる「問題に基づいた学習(Problem-Based Learning: PBL)」を重視しています。学生たちには、まず現実的な問題を提示し、その解決策を自分たちで見つけ出すというプロセスを体験してもらいます。教師はあくまでファシリテーターであり、主体は学生自身です。
具体的には、クラスの最初に問題を設定し、学生たちがグループに分かれてディスカッションを行います。例えば、「特定のビジネス問題をどう解決するか」「新しいアプリを開発するにはどんな要件が必要か」といった課題を考えさせます。その中で、リサーチをしたり、意見を交換したり、最終的にはプレゼンテーションを通じて解決策を発表します。
安河内:授業の中で、学生たちはかなり主体的に動くことになりますね。
ジョー・ハッグ:はい。彼らが主体的に学ぶことで、自らの考えや知識を深めていくのです。教師がすべて教えるのではなく、学生が自ら問題を発見し、試行錯誤しながら解決に導くことで、学びが「自分ごと」になります。それが、アクティブラーニングの最大の特徴です。
アクティブラーニングが難しい理由とその対策
安河内:でも、アクティブラーニングを実践するのは難しいと感じる教師も多いのではないでしょうか?
ジョー・ハッグ:その通りです。アクティブラーニングには、教師が授業のコントロールを手放す勇気が必要です。多くの教師は、「すべてのスライドやテキストを授業でカバーしなければならない」と考え、どうしても自分が中心となって授業を進めがちです。
また、授業の中で一人ひとりの学生に合わせたフィードバックを行うのも難しいです。学生によって学びのスピードが違うため、全員が同じペースで進めるわけではありません。
安河内:フィードバックは、どのように行っているのですか?
ジョー・ハッグ:私は、授業の中で頻繁にフィードバックを行うよう心がけています。学期末だけでなく、毎回の授業で「ここが良かった」「ここを改善しよう」と伝えることで、学生たちは自分の成長を実感できます。
グループ活動の効果とリーダーシップ育成
安河内:iUの授業では、グループ活動が多いと聞きました。効果的なグループ活動を行うためのポイントは何でしょうか?
ジョー・ハッグ:グループ活動では、理想的なグループサイズは3人から5人です。奇数の方がリーダーシップのバランスが取りやすいです。例えば、3人なら1人がリーダー、2人がフォロワーとして動くことができます。
安河内:リーダーはどうやって決めるのですか?
ジョー・ハッグ:最初はボランティアでリーダーを決めます。そして、アクティビティごとにリーダーを交代し、全員がリーダーを経験するようにします。これにより、リーダーシップのスキルをバランスよく育てることができます。
AI時代に必要なスキルと教育の在り方
安河内:AIが発展する中で、学生たちはどのようなスキルを身につけるべきだと思いますか?
ジョー・ハッグ:技術スキルはもちろん重要ですが、それ以上に「人間性」や「キャラクター」が求められます。AIはツールに過ぎません。大切なのは、AIをどう使いこなすかです。発想力や創造力、そしてリーダーシップが今後ますます重要になります。
たとえプログラミングが苦手でも、AIを活用して効率的にタスクをこなす方法を学ぶことができます。問題解決力やコミュニケーション能力も欠かせません。
ジョー・ハッグ教授の話から、アクティブラーニングが現代教育において不可欠であることがよく分かりました。主体的に学び、現実の問題に対応できるスキルを身につけることで、学生たちはAI時代の変化に柔軟に適応できる人材になります。また、リーダーシップや人間性を育むことで、技術だけでなく、人間としての魅力も兼ね備えた未来のリーダーを育てることができます。
*情報経営イノベーション専門職大学(iU)*は、こうした教育理念をもとに、時代に即した人材育成を実践している革新的な大学です。
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