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2025年共通テスト英語リーディング第3問【分析と勉強法】
1. 大問の分析
配点: 9点
設問数: 3問(問1, 問2, 問3)
特徴: 本文はエッセイ形式で、あるバンドのリーダーがコンテストに挑戦した経験を記述した物語である。設問は、ストーリーの語り手の特定、出来事の時系列整理、登場人物の感情の推測を問う内容で構成されている。
読解力に加えて、時制や文脈判断、要約力が問われる。特に、物語の構成や感情表現に基づいて情報を整理する力が重要である。
2. 各設問の分析
問1: "Which person is telling the story?"
特徴: 語り手を特定する問題。文中の代名詞や語り手自身の行動、立場に関する記述が手がかりとなる。
解答のポイント:
「As a band leader, I felt additional pressure about the contest.」という記述から、語り手がバンドリーダーであると分かる。
Renから「Tomo, you are...」と呼びかけられる場面があるため、語り手がTomoであることが確定する。
その他の登場人物(YukiやKei)は、語り手によって紹介されているため、語り手でないことが明らかである。
必要なスキル:
文脈判断能力
登場人物の役割や関係性を把握する力
解答: Tomo
問2: "Choose four out of the five options and put them in the order they happened."
設問のポイント
この設問では、以下の5つの選択肢から4つを選び、本文に基づいて時系列順に並べる必要がある。本文中の情報を正確に読み取るだけでなく、時制(特に過去形と過去完了形)の使い方を理解する力が必要である。
選択肢:
The band changed its attitude.
The band decided to practise more often.
The band leader identified the problem.
The band leader was concerned about the band.
The band registered for a contest.
正しい順序: 5 → 4 → 3 → 1
解答の根拠
1. 最初: ⑤ (The band registered for a contest)
本文の冒頭に、バンドが「The Ultimate Music Contest」に登録したことが過去完了形で記述されている。「The contest was only a few weeks away」という文から、この出来事が物語のスタート地点であることがわかる。
2. 次: ④ (The band leader was concerned about the band)
バンドリーダーが、コンテストに向けての準備状況を心配している様子が記述されている。「I was worried that my band Cat’s Curry wouldn’t be ready」という表現が該当部分であり、⑤の後にこれが続く。
3. 続いて: ③ (The band leader identified the problem)
次に、バンドリーダーがリハーサルのビデオを確認し、「I’ve got it!」と問題点を発見する場面が描かれている。「I realized what the issue was」という記述が、問題点を特定したことを示している。
4. 最後: ① (The band changed its attitude)
最終的に、バンドのメンバーが態度を改めて練習に集中するようになった。「From that day on, our focus shifted」という文が、態度の変化を明示している。
選ばれなかった選択肢
2. The band decided to practise more often.
本文には、練習量が増えた具体的な記述はない。そのため、選択肢の中で使用されない項目となる。
解答の手順
設問の選択肢を確認: 各選択肢が具体的に何を指しているかを確認し、本文中で対応する部分を探す。
時制に注意: 特に過去完了形(「⑤ The band registered for a contest」)が、物語のスタート地点よりもさらに前の出来事であることを示している点に留意する。
選択肢の関連性を整理: ⑤(コンテストへの登録)が物語の基点であることを起点に、残りの出来事を時系列順に配置する。特徴: 時系列の整理を問う設問。本文中に登場する出来事を過去完了形や省略された背景情報から判断する必要がある。
必要なスキル:
時系列や因果関係の整理能力
文法(特に時制)に基づく文脈の理解
選択肢を本文の内容と照らし合わせるスキャニング能力
問3: "How did the band most likely feel after the competition?"
特徴: ストーリーの結末に基づき、登場人物の感情を推測する問題。本文中の感情表現や心情の描写が重要な手がかりとなる。
解答のポイント:
最後の文「Although Cat’s Curry did not win the contest, we all felt it was the best performance of our lives.」に基づき、結果に満足していると判断できる。
選択肢の中で「Satisfied」が最も適切である。
必要なスキル:
感情を表す表現の理解
文中の心情描写を文脈から推測する力
解答: Satisfied
3. 得点するために必要なスキルと勉強法
1. 速読力
必要性: 制限時間内に文章全体を読み、設問に答えるために不可欠。
学習法:
長文読解の練習を行い、段落ごとの要点を短時間で把握する訓練をする。
毎日一定の時間で英語のニュースやエッセイを読む習慣をつける。
2. 文脈判断力
必要性: 登場人物の役割や立場、出来事の因果関係を正確に理解するために必要。
学習法:
本文中の代名詞や指示語(e.g., "this", "that")が指す対象を特定する練習をする。
読みながら「誰が何をしたのか」を箇条書きで整理する習慣をつける。
3. 時制の理解
必要性: 時系列を整理する設問で特に重要。過去完了形や未来形が表す時間の前後関係を理解する力が求められる。
学習法:
時制に特化した文法例文を繰り返し音読しイメージを把握する。
長文読解の中で時制がどのように使われているかを意識的に確認する。
4. スキャニングとスキミングのスキル
必要性: 必要な情報を効率的に見つけ出す能力。過剰な読み飛ばしを防ぎつつ、重要部分を見極めるバランスが重要。
学習法:
設問を先に読み、キーワードを意識しながら本文を読む訓練をする。
模擬試験や過去問で、本文と設問を照らし合わせる練習を行う。
5. 感情推測力
必要性: 登場人物の心情を推測し、適切な選択肢を選ぶ能力。
学習法:
感情表現が含まれる文章を多く読み、その背景にある出来事や状況を分析する。
選択肢の感情表現(e.g., "Satisfied", "Embarrassed")を正確に理解する語彙力を身につける。
まとめ
第3問では、本文全体のストーリーを的確に理解し、必要な情報を素早く抽出する力が求められる。特に、時系列の整理や感情の推測といったスキルが鍵となる。速読力やスキャニングスキルを鍛えるとともに、設問を意識した読み方を身につけることで、得点率を向上させることができる。