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2025年共通テストはどんなテストだったのか? 【分析と勉強法】


1.全体の分析

リーディングの全体的な特徴

1. 多様な文章形式

• アカデミックな文章(論文やレポート)と、日常的な文章(Eメール、広告、パンフレットなど)がバランスよく配置されている。
• 日常的な文章では、解答に必要な情報が文章内に分散しており、複数箇所を確認しながら解答する必要がある。一方、アカデミックな文章では、設問が文章の順序に従って並んでおり、論理構造を把握する力が試される。

2. パラフレーズの多用

• 選択肢の多くが本文内容を大きく言い換えた形で示されており、本文中の単語やフレーズをそのまま見つけて選べる問題はほとんどない。
• 英語を日本語に置き換えるのではなく、英語を英語として理解し、言い換えの表現を処理する力が求められる。

3. 視覚情報の活用

• 表やグラフなど視覚的な情報を用いた問題が複数出題されており、データや傾向を文章内容と結びつける応用力が重要となっている。

リスニングの全体的な特徴

1. 前半は2回読みのシンプルな問題
• 試験の前半は、短い会話文や簡単な指示を基にした問題で、1つの英文を2回聞く形式が中心となっている。内容の理解に集中できるため、基本的なリスニング力を確認する意図が見られる。

2. 中盤以降は1回読みの問題に移行
• 試験の中盤からは、聞き取った情報を一度で理解し、その場で処理する力が試される。単純に聞き取るだけでなく、速いスピードで情報を整理・判断する能力が必要とされる。

3. 後半はインプットとアウトプットの融合
• リスニング後半では、聞いた内容とリーディング内容を組み合わせて考える設問や、聞いた情報を基に自分の意見を整理する問題が含まれている。この形式は、インプットを前提にアウトプットする力を試す構造になっており、リスニング力と同時に読解力や論理的思考力が問われる。
• 例として、聞いた内容を図や表で示される情報と統合して解答する問題が挙げられる。

2.リーディング設問の詳細分析

日常的な文章を題材にした設問

• 文章形式
Eメール、パンフレット、企画書など、実用的な英語を扱う。
• 設問の特徴
• 必要な情報が複数箇所に分散しており、短時間で複数の情報源を行き来しながら解答を導く必要がある。
• 問題文中の指示や条件を正確に理解する力が重要。
• 素早くスキャニングする力が求められる。(必要な情報を素早く探す力)
• 条件に基づき適切な選択肢を判断する能力

アカデミックな文章を題材にした設問

• 文章形式
学術的なレポート、論文、解説文など、論理的構成が明確な文章を扱う。
• 設問が文章の流れに沿って並んでいることが多く、文章の論理構造を正しく理解する力が必要。論理を俯瞰できれば解きやすい問題。
• 語彙レベルが高く、B1プラス程度の知識が求められる。
• 求められる能力
• 論理的な文章の流れを理解し、結論や要点を把握する能力
• 抽象的な内容を具体例と結びつける能力

3.リスニング設問の詳細分析

前半(2回読みのシンプルな問題)
• 設問の特徴
短い会話や指示文を基に、パラフレーズされた選択肢を選ぶ。内容が平易で、リスニングの基礎力が確認される。
• 求められる能力
• 発音やアクセントの異なる英語を正確に聞き取る力
• 情報を即座に処理し、適切な選択肢を選ぶ判断力

中盤(1回読みの問題)
• 設問の特徴
聞いた内容を一度で正確に把握し、情報の優先順位を判断して解答する問題が増える。一度で正確に聞き取る集中力が求められる。話の展開や因果関係を迅速に理解する力も重要となる。

後半(アウトプットを前提にした問題)
• 設問の特徴
聞いた内容とワークシートを組み合わせて考える複合的な問題が登場する。内容を聞き取るだけでなく、それを基に整理し、アウトプットに結びつける能力が必要とされる。

求められる能力

• 聞き取った情報を要約する能力
• 視覚情報(表・図)と音声情報を結びつける能力

4.得点するために必要なスキルと学習法

必要なスキル

1. 速読力とスキャニング力
• 時間内に多量の文章を読む試験形式に対応するため、文単位・段落単位で情報を処理する力が不可欠。
2. リスニングとリーディングの融合力
• 読んだ内容と聞いた内容を整理し、必要な情報を即座に組み合わせる能力が重要。
3. パラフレーズ処理能力
• 本文中の表現を言い換えた選択肢に慣れるため、日常的に英語を英語で理解する訓練が求められる。

学習法

1. 単語・熟語学習の工夫
• 単語や熟語を文脈の中で覚える。音声付き教材を活用し、シャドーイングやオーバーラッピングで文全体を口に出す練習をする。

2. リスニングとリーディングの融合学習
• 音声付き教材でリーディングを学習した後、音声のみで内容を理解できるまで反復練習する。
• 聴いた内容を短文で要約し、アウトプットに結びつける練習を日常的に行う。

3. 速読と多読
• 新聞記事や短い英語のブログを活用し、1分で読む段落数を増やす練習を行う。長文に慣れた後は、文章を要約して内容を整理する練習を取り入れる。

4. 視覚情報を活用した練習
• グラフや表のある教材を用い、それらを文章内容と関連付ける訓練を行う。

5. 実践的なアウトプット練習
• 聴いた内容や読んだ内容を基に、自分の意見を英語で書き出す練習を取り入れる。エッセイ作成の準備として、要点を箇条書きにまとめる訓練も有効。

6. 試験形式の慣れ
• 過去問や模試を活用し、実際の試験形式に慣れる。特にリスニングの後半部分のような複雑な問題形式に対応するため、聞きながらメモを取る練習を積む。

5.総括

2025年共通テスト英語リーディング・リスニングは、インプットとアウトプットの融合を試す問題が出題され、英語を総合的に運用する力が問われる試験である。特に、パラフレーズ処理能力、視覚情報と聴覚情報の統合力、そしてアウトプットを意識したインプット力が高得点の鍵を握る。日常的にリスニングとリーディングを結びつけた学習を継続し、英語を使いこなす実践的な力を養成することが成功への近道だろう。

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