2025年共通テスト英語リスニング第3問【分析と勉強法】
1.全体の分析
第3問は、音声が1回のみ流れるため、事前準備の重要性が非常に高い。この大問では、各設問に対して事前に場面の設定(日本語)と設問、選択肢が提示されている。この形式により、音声が流れる前に設問内容を把握することが可能であり、ポイントとなる情報に集中して聞くことが求められる。
特に設問の中には、選択肢が動詞で統一されていたり、場所や時間など具体的な情報を問うものが含まれており、いずれも重要なキーワードを効率的に聞き取る能力が試される。さらに、言い換え表現(パラフレーズ)が頻出し、音声と設問の表現を照らし合わせる力が得点の鍵となる。
本大問の難易度は、基礎的なリスニング能力を問うものから、若干の応用力を試されるものまで幅広いが、全体としては初中級レベルの英語学習者が解ける内容に設定されている。
2.それぞれの設問の分析
問12:男性と女性が次に何をするか
設問特徴:
選択肢はすべて動詞で始まる(例:show, wait, buy, enter)。
次に行う「行動」を特定する問題であるため、音声中の具体的な動詞やフレーズを聞き取ることが重要である。
音声のポイント:
男性が「すでにオンラインでチケットを購入している」と説明し、女性が「並ぶ必要がない(So we don’t have to wait in line)」と確認している。ここでのキーワードは「show my smartphone screen」であり、これが次の行動に結びつく。
必要なスキル:
行動を表す動詞やフレーズの認識力。
会話の結論部分を正確に捉える力。
問13:女性がどこにいるか
設問特徴:
場所を問う問題。
音声中の現在地を示す表現(例:階数や部屋の名前)を聞き取れば解答できる。
音声のポイント:
女性が「calligraphy classroom」だと思っていた場所が、実際には「art room」であると説明される。その後、「The room you’re looking for is on the fourth floor」と現在の位置(art room)と目指す位置(fourth floor)が対比される。「one floor below that」という表現を聞き取ることができれば、「art room」が3階にあるとわかる。
必要なスキル:
場所に関する単語や前置詞(例:on, below, at the end of the hall)の聞き取り能力。
対話内容を整理し、現在地と目的地を混同しない力。
問14:交通手段の選択について
設問特徴:
タクシーとバスの比較を聞き取り、選択の理由を特定する問題。
費用や時間の比較が含まれており、会話の結論部分が重要となる。
音声のポイント:
女性はタクシーに乗ることを提案するが、男性は「バスのほうが安い」と主張。女性が「But it takes longer」とタクシーの利点を説明し、男性が「It won’t cost much more than the bus」と納得している。結果として、2人はタクシーに乗ることに決定する。この部分と選択肢の「pay more」というフレーズとの結びつきを認識することが求められる。
必要なスキル:
費用や時間を比較する会話表現の理解。
会話の流れを追い、最終的な結論を捉える力。
問15:コンサートの日程について
設問特徴:
日付や時系列に関する言い換え表現(例:the day after tomorrow → in two days)がポイントとなる。
正確な日付の情報を把握する必要がある。
音声のポイント:
男性が「the day after tomorrow」と話している。この部分のパラフレーズである「in two days」を選ぶ。このように表現がパラフレーズされており、これを正確にとらえることで解答が可能となる。また、「today」や「tomorrow」などの明確な指標を捉えることが重要である。
必要なスキル:
日付や時系列表現(例:the day after tomorrow, next week)の聞き取り能力。
表現の言い換えに対する対応力。
問16:2人の共通点について
設問特徴:
会話の内容を基に共通点を抽出する問題。
問題と選択肢の「have in common」「both」や、聞き取り文中の同一内容の反復に注意を払う必要がある。
音声のポイント:
2人が子供時代に共通して「baseball cards」を好きだった(liked baseball cards)という内容が含まれる。この「共通点」を捉えることが解答の鍵となる。
必要なスキル:
会話の中で「共通点」に関連する表現を素早く認識する力。
問17:男性が何を心配しているか
設問特徴:
パラフレーズが含まれるが、内容自体は比較的直接的である。
男性の「心配していること」にフォーカスする必要がある。
音声のポイント:
男性が「my information」が知られることを懸念しており、この内容が選択肢「Having personal details known」に対応している。音声中では比較的明確な表現が使われており、パラフレーズされた適切な選択肢を選ぶことが容易である。
必要なスキル:
話者の感情や懸念を正確に聞き取る能力。
パラフレーズを即座に解釈する力。
3.得点するために必要なスキルと勉強法
設問と選択肢の徹底確認
音声が流れる前に、設問を読んで内容を予測する訓練を行う。特に動詞や場所、時系列の表現に注意して共通点と違いを明確にしておく。
設問ごとに「何を聞き取るべきか」を瞬時に判断する力を養う。
パラフレーズ練習
よく使われる表現と言い換え(例:my information → personal details)に慣れるため、共通テストや英検の練習問題を解き、語彙力と言い換え対応力を向上させる。
状況のイメージ化
聞き取った情報を文字ではなく、頭の中で映像としてイメージする習慣をつける。例えば、「art room」「fourth floor」を聞いた際に建物内の階層を視覚化するなど。
発音と音読訓練
正確な発音を聞き、音読する練習を繰り返すことで、聞き取り能力を向上させる。特にリスニング音声に近い速度とイントネーションでの練習が効果的である。
短い対話の反復練習
問題形式に慣れるため、共通テスト形式のリスニング問題を繰り返し解く。特に、音声の流れや情報の取捨選択のスキルを磨く。
会話の要点(時間、場所、目的など)を即座に整理できる能力を重点的に鍛える。
まとめ
第3問では、先読みの徹底と音声中のキーワードを正確に捉える力が得点の鍵となる。普段の学習では、リスニング問題を解く際に、音声を聞く前の設問確認や、類似形式の問題演習、発音練習を欠かさないことが重要である。特に「言い換え表現」や「時系列の整理」を意識することで、リスニング能力を向上させることが可能である。