朝日新聞

自民党総裁選が8日午前告示され、石破茂元幹事長(63)、菅義偉官房長官(71)、岸田文雄政調会長(63)の3氏が立候補を届け出た。辞任する安倍晋三首相(党総裁)の後継を決める選挙で、野党時代の2012年9月以来、約8年ぶりの総裁交代となる。

【速報中】石破・菅・岸田の3氏が届け出 自民党総裁選
 7年8カ月余りの安倍首相の政権運営の評価や、憲法改正、経済・外交といった主要政策への政治姿勢などが争点だ。14日に投開票される。

 安倍氏の途中退任に伴う今回の総裁選は、全国の党員・党友による投票を省略する「簡易型」で実施される。衆参両院の議長を除く党所属国会議員の394票と、47都道府県連の各3票(計141票)を合わせた計535票を取り合う。

 国会議員票では、菅氏が党内7派閥のうち岸田派、石破派を除く5派閥から支持を取り付け、有利な情勢となっている。

 石破氏は、これまで安倍首相の政治姿勢の批判も展開。現政権からの軌道修正を求める声の受け皿をめざす。森友・加計学園や「桜を見る会」をめぐる問題を念頭に、行政の信頼回復に取り組む姿勢を強調する。東京一極集中の是正に注力し、「防災省」創設の必要性も訴える。

 菅氏は8日午前、首相官邸で閣議に出席後、記者会見に臨むなど官房長官としての職務を通常通りこなす。「政治の空白は決して許されない」として安倍政権の路線を継承する立場を表明している。安倍首相の経済政策「アベノミクス」も引き継ぐ意向だ。

 岸田氏は、党本部の政調会長室で自身の選対幹部と協議した後、選対本部の出陣式に臨む。外相や政調会長として安倍政権を支えてきた立場だが、経済政策では違いも打ち出す。中間層への教育費、住宅費などの支援で格差の是正に力を入れる。

 8日午後には、党本部で候補者による所見発表演説会、共同記者会見が予定されている。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、地方遊説や街頭演説会は行わない。


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