*嶋津タイマーの話題騒然なので、2018年に書いたエッセイを発掘して再掲する事にしました。 とある月曜日のこと。 「自動ドアが途中までしか開かなくなったので、業者に連絡して良いですか?」 と、受付から言われ承諾。ドアが半分開いたところで減速して止まるので、すぐに開くと思ってそのまま歩いた患者さんがぶつかってしまうという危険な状態。受付が自動ドアの上に書いてあるフリーダイヤルの連絡先に電話をし「院長の許可が要るとか言われてますが…」とのことで電話を替わり、「困っているのでと
以下は某誌の2015年1月号に掲載するために私が書いたエッセーです。Twitterで「たゆたう」が通じなかったという話をみかけて、再掲することにしました。 「窓がすいている」という表現を、皆様はなさいますでしょうか。 窓がちょっと開いている = 窓がすいている 窓がはっきりと開いている = 窓が開いている と、私は使い分けしていましたが、10年ほど前、それが周囲に通じていなかったことが判明しました。まさか方言だったのかと思って、国語の恩師にお尋ねしたところ、窓などがわずか
マイナス・プラス法というものがあります。 ネガティブな情報とポジティブな情報があるとき、 後に伝えた情報の方が印象に強く残るので、 ネガティブな情報を先に伝えましょう、 というものです。 例えば 「今度の検査は、 痛みを伴いますが、 病気のことが詳しく分かって診断治療に役に立ちます」 と説明されるのと、 「今度の検査は、 病気のことが詳しく分かって診断治療に役に立ちますが、 痛みを伴います」 と言われたときに、 同じ情報を与えられているのに、 どちらが検査に対するハードルが
https://hugkum.sho.jp/57467 逆上がりは中学入試の必須項目でした。 ちなみに、天気が雨だと懸垂になるのですが、 懸垂は箸にも棒にもかからない状態で、 逆上がりは2回に1回くらいは成功するので、 晴れ請いしたものでした。 試験当日、幸いにして晴れ、 一発で成功せず2回目で成功したように記憶していますが、 とにかく太ももには見事な青あざを作っており、 試験監督の先生の目線が青あざに注がれていたことを、 私は見逃しませんでしたよ! とは言うものの。 今
今、この時代でしか現れなかってあろう、 興味深くかつ心躍る小説です。 私はBL小説を読んだことがないので、 これが世間一般のBL小説とどれくらい違うのか 判断できないのですが、 BL小説というくくりでは語り尽くせないのではないかと、 推測致します。 実はハーレクインロマンスも殆ど読まないので、 その質の高さも知らないのですが、 それを凌駕しているのではないかと思いました。 残念ながら、 合衆国と大英帝国の慣習や、 建物、地理、世情に詳しくないので、 どこまでが虚構でどこ
このたびやっと承認に至った新型コロナウイルスワクチンに関して、医療関係者から医療者の優先接種が治験だとか実験だとか、国立病院職員はスケープゴート的発言が見られるのを、私は冗談だと思っていたのですが、どうやら本気の人も居る様子だと判ってきて、愕然となっています。 でも、よくよく考えると、私も昨年末頃までは、多少の不安はあっても接種しなければ始まらないから受ける、と思っていました。これまでの常識から考えて、ワクチンの開発には2年ほどかかると思っていましたので、あまりに開発が早
*地方の医師会報2021年2月号向けに書いた随筆の転載です 2020年はコロナに始まりコロナに終わり、1年分の時間経過があやふやです。思ったよりも早くワクチン開発が進んで先が見えてきたところでの感染拡大という状況で、年末年始にこの原稿を書いています。 今回は、医学書以外の医学関係の書籍は紹介しないというマイルールを破り、以下の本をご紹介致します。新書です。電子書籍もございます。 『新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実』日経プレミアシリーズ https://nikk
2020年1月 とある会誌に寄稿した文章です。 ある行動を習慣化するのには、おおむね三ヶ月かかるそうです。良い習慣を身につけるのも三ヶ月なら、悪い習慣と縁を切るのも三ヶ月。三ヶ月の禁煙外来を完遂出来た患者さんの方が、完遂しなかった患者さんよりも禁煙率が高いのも宜なるかな。 その習慣化ですが、私は正直言って苦手です。そもそも三日坊主の権化で、習慣に至らないことが殆どな上に、稀になんとか三ヶ月を乗り切って、半年、一年続いて、もう身についたでしょうという行動があったとしても、
2019年3月 とある会誌に寄稿した文章を一部抜粋。 平成28年4月の熊本地震のあと、体重が一過性に減った反動で増加に転じ、BMI 25を超えて、なかなか改善出来ませんでした。ついに患者さんからも「先生太ったろ? 俺の目は誤魔化せんばい」と、言われるに及んでダイエットを決意。食事制限を開始しました。食事制限だけでは筋肉が衰えるので、何か運動をせんばん、と焦っていた頃、NHKが夜11時台に、『みんなで筋肉体操』という5分間番組をやる、という情報が入ってきました。これぞ、まさ
20年近く前の冬の事です。 独身女性オンリー、泊まり込みクリスマスパーティーを終え、土曜日のお昼前にアパートに帰り着いた私を待っていたもの、 それは、一枚の『郵便物等お預かりのお知らせ』でした。 早速、郵便局に電話して、いつものごとく、 「ウィークデーは不在がちなので、職場に転送して貰えませんか?」 と、お願いしました。 「郵便の種別は何になっていますか?」 「えーと、『特別送達』です」 電話の向こうで郵便局員さんが息を飲むのが伝わってきました。 「送り主は書いてご
昔の話ですが、医師届出票の締め切りが近いので、過去に書いたものからnoteに転載&一部追記します。 H27年6月某日。眼科偽医者問題が世間を騒がせていたので、思い立って、 厚労省の医師等資格確認検索で自分を検索したら、なんと、自分が出ませんでした。 https://licenseif.mhlw.go.jp/search/index.jsp 自分の検索の仕方が悪いのかと思って、他の方に連絡して検索してもらいましたが、やはり検索不能でした。 以前の偽医者問題が起こったときに、こ
5)『夢みる惑星』 佐藤史生先生との出会いは新書館の雑誌『グレープフルーツ』の七生子シリーズでした。その後『夢みる惑星』の事を知り、一気に嵌まり、『プチ・フラワー』に連載中だと知って、最後は連載を追いました。世界観も好き、設定も好き、台詞も好き。絵も構図も好きですが、部分的に脳内補完をかけながら読んでいました。絵柄が苦手な方には取っ付き難いかとも思われますが、一度は読んでみて欲しいと思うのでした。 この作品には、『夢みる惑星ノート』という別冊に後日譚の掲載がありまして、長ら
1)『漢楚軍談』 初日はなにはともあれこれ。 本の再読というものは滅多にしません。なにしろ、読みたい本、読むべき本が溢れかえっていて、興味は次々と遷っていくし時間は足りないし。そんな私ですが、子供の頃買い与えられたこの本がツボに嵌まりすぎて。小学校の頃、熱を出して学校を休んだときは、必ずこれを再読していた、という位に好きでした。 ツボに嵌まった本は必ず原典に当たるまで掘り下げるオタク気質なので、原典を探し求めて苦節うん十年。中高時代、書店に行くたびに中国書籍のコーナーを見