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俺の原点

僕はヴィッセル神戸のアカデミーで毎日みんなと切磋琢磨してた。元々は中学の部活動でサッカーをしようと思ってたけど、運の良い出来事が続いたおかげでアカデミーに入ることができたと思ってる。



 きっかけは小学6年生の時、友達が誘ってくれたヴィッセルの春休み限定のスクール。ヴィッセルスクールって聞いて、「そんなレベルの高いところでしたくない」って置いていかれるのが嫌で最初は断ってたけど、何回もしつこく誘ってくれたからめっちゃ勇気出して参加することにした。ここで一緒に行ってなかったら全然違う人生やったかもって思う。自分のわからん世界に行くのは怖さがあるし、どうなるか不安やったけどほんまに行ってよかった。もっとサッカーが楽しくなったし、もっと上手くなりたいって思った。ここをきっかけに夏休みのスクールにも参加して、その後毎週練習するスクールにも入った。今思うと毎週稲美町から神戸まで送り迎えしてくれて、自分がやりたいって思ったことをすぐにさせてくれた家族にほんまに感謝しかない。その時は、ただ楽しくて「早く送って」とか偉そうに言ってたけど親のおかげ。親がダメな時はおばあちゃんも送ってくれて当時の楽しさは周りのおかげやなってつくづく思う。


 ここからはJrユースのこと。この3年間で今の俺ができているといっても過言ではない。
プレーに関しては、今まで考えずにサッカーしてたけど、ポジショニング一つでこんなにも周りに影響を与えることができるんやって思ったし、体格も細かったからどれだけ相手に触られずにプレーできるか、ボールの置き所、パスもいつどっちの足にどんな速さで出したら味方がプレーしやすいかを教えてもらった。当時は、このことだけ考えてたし、そうすれば良いプレーができたことの喜びから徹底的に意識しようと思った。
僕の家は、練習場までが遠くて、学校終わり急いで電車で行っても着くのは練習開始の5分前。それまでに到着してる人がボールが外に行かないようにネットを建ててくれたり、ボールに空気を入れてくれたり、水を準備してくれたりしていた。神戸の哲史くんや勇哉くんたちは1つ上の先輩だけど、いつも黙々と準備や片付けをしてた。やる人もいれば喋っててやらない人もいる。先輩後輩関係なく、率先して準備する姿をかっこいいと思った。人任せにしない。自分のことはなおさら。スパイクを磨き続けているのもここが原点。
あとは、準備の大切さも学んだ。当時は、電車にスパイクを忘れたり、家に練習着を忘れたり、チームで準備していくマーカーやビブスを入ってなかったり、練習直前にボールに空気が入ってなかったり、などアクシデントがたくさんあった。サッカーがしたいのに、アクシデントで怒られるうえに練習時間が短くなる、それが嫌で準備をする習慣がついた。今も、明日の用意(着て行く服、持ち物、アクセサリーなど)は全部机の上に準備してから寝ることは欠かせない。


 ここからはユースのこと。ユースでは、叱ってくれたり具体的なアドバイスがあまりなかったからこそ、自分自身を考える力が育ったと思う。
1年生ではメンバーに定着していたのに、2年生でいきなり外れた。何がダメやったか怒られることはないから、自分で考えるしかない。考えるのをやめて、結局戻ってこれないままだった人をたくさん見てきた。家族と離れて過ごした寮のなかで、ひたすら自分のプレーについて考えて、練習でやってみて、また考える、メンバーに戻れるまで繰り返した。これは今もそう、自分の中で諦めることは選択肢にないから、ひたすら考えて常に自分自身に向き合っている。
寮だったから、全てが自分次第。寝る時間も洗濯する時間も成長するための食べる量も、居残り練習の量も、自分で決めなあかん。自分で目標を立ててそれにむけて、逆算していった。寮での生活でだいぶ自立できるようになったし、考えられるようになった。


 ここまでは、なんやかんやで順風満帆なサッカー人生やったけど、プロになれるかなれへんかのところで、「第五中足骨骨折」。プロになるためにアピールせなあかん時期の離脱はこたえた。でも、プロになれるために必要な素質は何かを考えたら、「フィジカル強化」やった。たまたま、トップチームのフィジカルコーチが寮にいたから、強化の仕方を聞いて、自分で実践してた。怪我明けのクラブユース全国大会では、フィジカル強化のおかげもあって、余裕をもってプレーができた。トップチームのコーチに聞きに行くことは勇気のいることやったと思うけど、やってよかったと思う。

今も、シーズン中の骨折で長期離脱してるけど、この時のようにこの期間を無駄にしないし、絶対強くなって戻る。


 こんな感じで、アカデミー時代を振り返ってみたけど、当時はこんなに今につながると思ってやってたわけではなかった。これが全てやとも、正しいとも思わへんけど、どんな努力や気付きも未来にはつながってるんじゃないかと思って、これからもやれそう。

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