見えぬものすべてをアート作品に
柱は柱 崔正化(チェ・ジョンファ) 1999
街角や公園のパブリックアートが好きである。
堂々と、時には唐突に眼前に現れる存在感。
どんな力が働いて生まれたアートなのだろうか。
ふと立ち止り過去の風景に思いを巡らせてみる。
博多リバレインの一角のパブリックアートの数々、
建築計画時に企画され、建物完成時に設置された。
建設時に建物の柱をアートにすることの難しさ。
その完成までの道のりの険しさは想像に難くない。
「柱は柱」その作品のスケール感に目をみはる。
この作品のコンセプトは多様性であり、博多が
様々な国と交流してきた様子が表現されている。
4色の様式の異なる柱が、軽やかに組み合わさり、
一つの柱を構成していることの意味を後から知る。
そこに託された思いを知り、作品への愛着が増す。
チェ・ジョンファ氏は、次のように評されている。
「見えるものすべてをデザインし、
見えぬものすべてをアート作品にする」
あなたにこそアート 2000 霧島アートの森のサイトより参照
フラワー・ホース 2008 十和田市現代美術館サイトより参照
色色色 2012 花とアートの岬 長崎鼻サイトより参照
太陽の贈り物 2013 小豆島 瀬戸内国際芸術祭2022サイトより参照
芝生の上の額のアートを通して風景とつながる。
花で埋め尽くされた馬のモニュメントは、街と馬
との関わりと四季折々の花の存在を表現している。
岬に造られた展望台に立つ人の姿もアートになる。
オリーブの葉一枚一枚に、ワークショップに参加
した小学生100人のメッセージが刻まれている。
チェ・ジョンファ氏の作る風景に思いを巡らす。
アートは目に見えるものだけが、すべてではない
とのメッセージにより作品の見方も変わってくる。
奥の深いアートの世界。見えないものにも思いを
寄せて、まだ見ぬこれらの作品に会いに行こう。