もくあみの杜という木に包まれた空間で
ゆふいんの旅を続けている。金鱗湖の周囲をめぐると、
ほど近く、もくあみの杜という木造の商業施設がある。
もくあみとは、木を編むように杉の角材のルーバーが
設置されていることから名付けられている。外壁材の
焼き杉、小屋組、軒天、外廊下の床材まで、国産の杉材が
用いられた木に包まれた建物。各店舗へは、中庭から
アクセスする配置。商業施設としての表情が抑えられ、
周辺にも配慮された、落ち着いた雰囲気のある建物だ。
2019年に竣工した建物で、設計コンペを経て建てら
れている。杉材を用いたもくあみというデザインや、
周辺環境に配慮された配置計画、サインにいたるまで
さまざまな工夫がなされている。時が経つにつれて、
だんだんと落ち着いた表情となっていく木造の建物。
いくつかの空きテナントもあったが、時間をかけて、
その場所に馴染み、永く続いていってほしいと思う。
もくあみの杜にあった木を編むようなデザイン。木が
組み合わされることで生じる陰影や、形のおもしろさ
がある。それらは表層を飾るものであったり、時には
構造体としても、その建物を特徴づける。過去に見た、
もくあみのイメージの建物や空間を振り返ってみる。
梼原で出会った隈研吾氏の木の空間
大分県立美術館OPAMはデザインあふれる楽しい場所
旅の始まりでであった木の空間
坂茂氏によってデザインされる空間はとてつもない
木材を使ったデザインは、建物をやわらかく見せる。
それは木の持つあたたかさや、経年による表情の変化
によるものでもある。直線だったり、面で使われたり、
線が組合わさって面に見えたり、その様々な造形は、
いろんな表情を持つ。木で作られた空間は、心を落ち
着かせ、そのダイナミックな造形は心をときめかせる。
また、木でデザインされた空間や建物に会いに行こう。