その建物は時代の波を乗り越えて
神戸港に建つ建物の間をぬうように
神戸の街から港の風景をめぐってきた。1868年に開港
した神戸港。外国に開かれた神戸の地に建つ建物は、
異国の香り漂う風景を形作ってきた。そして1927年
に建てられたその建物は時代の波を超えて今に至る。
てっぺんにあったもの。付け替えられて今の位置へ
今回の旅で、神戸ポートタワーの優美な姿にもふれた
震災も乗り越えたタワーは今も神戸の港を見守って
円形ホールにそびえる柱を持つ神戸税関は
神戸モダン建築祭の会場にもなっている
円形のドームの吹き抜けは風景をつなげる装置となり
九州の旅は私にとってかけがえのない経験となった
本関庁舎の様子は動画も参照して
その建物の雰囲気に、門司港で見た税関を思い出す
手がけたのは日建設計。建物は時に自然に溶け込み
またいつか神戸モダン建築祭にも訪れたい
港町神戸の記憶は街全体にちりばめられて
建物の歴史を知れば、建物にも愛着が湧いてくる
直線的な造形のセセッション式が取り入れられた神戸
税関の旧本館。外観には細やかな装飾が連続し、その
陰影は建物の重厚さを形作る。建物は戦災で焼失する
ことなく時代を越え、震災では被害を受けながらも、
再生され1999年に新しい庁舎として生まれ変わった。
交差点に面した旧本館の外観やホールを保存しつつ、
そのデザインと連続させるように、大きな平面へと。
建物の上部は、低層階から浮き上がらせる現代的な
デザインで、神戸のイメージを表すような船の外観へ。
歴史のある建物に、重ねられた新しい建物。その船を
模した建物は神戸の港を見守りつつ、これからの時代
の波の越えていく。神戸の街をめぐる旅もその先へ。