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その建物は時代の波を乗り越えて

神戸港に建つ建物の間をぬうように

神戸の街から港の風景をめぐってきた。1868年に開港
した神戸港。外国に開かれた神戸の地に建つ建物は、
異国の香り漂う風景を形作ってきた。そして1927年
に建てられたその建物は時代の波を超えて今に至る。

神戸の港にて、高くそびえる時計塔を持つ建物は
茶色のレンガと細かな装飾が連続する神戸税関
建物の前には赤く鮮やかな
看板がモニュメントとして設置されている
神戸港。そこには1868年から始まる物語がある
そして後ろにそびえる神戸税関は、旧本館
から新本館へ増築されて、今の規模に至る
PORT OF KOBE の看板はかつて神戸ポートタワーの

てっぺんにあったもの。付け替えられて今の位置へ

今回の旅で、神戸ポートタワーの優美な姿にもふれた

震災も乗り越えたタワーは今も神戸の港を見守って

1927年に建てられた神戸税関の旧本館の
直線的な装飾は100年ほどの時を越えて今に伝わる
建物の角にある入り口の上部の装飾的な外観を見上げつつ
光のたまりのある建物の内部と足を踏み入れる
しんとした空気。時間の流れが変わる

円形ホールにそびえる柱を持つ神戸税関は
神戸モダン建築祭の会場にもなっている

ホールの中央の縁を描くように重なる床のモザイクタイル
ホールの中央に立つ。自分の足音が響く。空間は
頭上へと広がり、その光景にいつかな風景を思い出す

円形のドームの吹き抜けは風景をつなげる装置となり

その記憶は九州に。私の中で建物と建物がつながっていく

九州の旅は私にとってかけがえのない経験となった


円形ホールに浮遊する記憶の断片を感じつつ
その先には光に包まれた空間が広がっている
ガラス張りの向こうには中庭が広がり
その奥に新館の建物がそびえるように建つ
旧本館との違いを見比べつつ、歴史ある建物から
新しい建物へとデザインはゆるやかにつながって

本関庁舎の様子は動画も参照して

アーチの開口部は時代をつなぐデザインに
旧本館にそびえる円形の塔を見上げつつ
また中庭を取り囲む回廊へ
それはガラス貼りの光に満ちあふれた空間に
旧本館に残された建物の当時のデザインも楽しみつつ
階段の手摺格子のデザインにセッションの気配も感じる
天井の照明が放つ光の形もおもしろい
見取り図があれば、いつものように現在地を確かめて。
神戸税関は、旧本館の形に合わせて新館が増築された
本館にある広報展示室にも立ち寄って
この建物は映画やドラマのロケ地にも
展示室には模型もある。初代本館は木造2階建

その建物の雰囲気に、門司港で見た税関を思い出す

そして1927年建てられた二代目の神戸税関の模型
ボタンを押せば内部の構造がよくわかる
そして旧本館に合わせて増築された三代目の税関は
船の形をした建物に。それは時代の波を越えていく


手がけたのは日建設計。建物は時に自然に溶け込み

木々に紛れるように建つポーラ美術館
そして神戸税関は時に溶け込み、新たな時を紡ぎ出す


またいつか神戸モダン建築祭にも訪れたい

港町神戸の記憶は街全体にちりばめられて

建物の歴史を知れば、建物にも愛着が湧いてくる


直線的な造形のセセッション式が取り入れられた神戸
税関の旧本館。外観には細やかな装飾が連続し、その
陰影は建物の重厚さを形作る。建物は戦災で焼失する
ことなく時代を越え、震災では被害を受けながらも、
再生され1999年に新しい庁舎として生まれ変わった。

交差点に面した旧本館の外観やホールを保存しつつ、
そのデザインと連続させるように、大きな平面へと。
建物の上部は、低層階から浮き上がらせる現代的な
デザインで、神戸のイメージを表すような船の外観へ。
歴史のある建物に、重ねられた新しい建物。その船を
模した建物は神戸の港を見守りつつ、これからの時代
の波の越えていく。神戸の街をめぐる旅もその先へ。







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