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旅の終わりは禅宗の寺院へ

法界寺にある二つの国宝を後にして

山科から伏見へと下る旅もそろそろ終わりに。最後に
もう少し足を伸ばして旅の終わりも寺院へ。14インチ
のタイヤの小さな自転車でも、十分な距離を走ること
もできる。次に訪れた広大な伽藍を持つ禅宗寺院では、
今年の10月に三棟の建造物が国宝に指定されている。


訪れたのは黄檗宗大本山萬福寺。萬福寺は中国から渡来された
隠元禅師により開創され、明時代の建築様式が採用されている
中央の屋根を高くされた総門をくぐり
萬福寺の境内の中へ
中国門の牌楼(ぱいろう)式を用いた
漢門と呼ばれる総門を振り返りつつ
敷石に沿って境内を進む
総門の右手の放生池には蓮の緑が広がって
いつものように見取り図で全体像を確かめて

萬福寺のサイトでより詳しく

まずは三門へ。重層の楼門造りで、大棟中央に火焔付宝珠
正面の額には黄檗山の文字
先に続く参道には、正方形の平石を菱形に敷き、両側を石條で
はさんだ形状に。龍の背の鱗をモチーフ化されたものだという
参道を進むと、正面には国宝に指定された天王殿
萬福寺の玄関としての建物でもある
脇にある水盤に映る緑の風景
建物のリフレクションも楽しんで
石段を上り天王殿の中へと進む
建物内部にまつられる弥勒(布袋)菩薩の上の
五色の幕も鮮やかで
内部空間を見回すと奥には
四天王の仏像が並ぶ
弥勒菩薩の背面には韋駄天の像も
天王殿から緑に包まれた境内を見返しつつ
四半敷の床面に落ちる香炉台の影
高低差のある境内。建物の周囲をめぐる
回廊をたどりつつ、次は
国宝に指定された二つ目の建物の大雄寶殿(だいおうほでん)
ここは萬福寺の本堂でもあり最大の伽藍で、日本では
唯一最大のチーク材使用した歴史的建造物でもあるという
建物の素材やデザインを楽しみながら、右手には
円窓。細かな格子のデザインも面白い
色鮮やかなな香炉台をにも目を留めつつ
内部へ。こちらには釈迦如来坐像
建物内部の空間を体感しつつ、両脇に並ぶ
十八羅漢像。明代寺院の形式を受け継ぐものに
伽藍はまだ先へと続き、火灯窓の横を過ぎ
国宝に指定された三つ目の建物の法堂へ。こちらは説法が
行われる場所。菱形に敷かれた平石はこちらにも
建物の間には枯山水の空間も
法堂に設けられた高欄に卍及び卍くずしの文様に
勾欄が作り出す影の形も楽しんで
回廊をぐるりとめぐりつつ
萬福寺に広がる風景を楽しみながら斎堂の方へ
そこに吊るされた魚の形をした魚鼓は
開梆(かいぱん)と呼ばれ、木魚の原型でもあるという
口から吐き出すのは煩悩とのこと

実際の大きさを動画でも

萬福寺の境内の中国風の建物をたどりつつ
そろそろ萬福寺の境内を後にして
もと来た参道を引き返して

萬福寺が建つのは宇治市。旅もそろそろ終わりに

2022年には隠元禅師の350回目の法要も

その動画で萬福寺の様子がよくわかる

そして萬福寺は350年のその先へ

隠元禅師とともに伝来した中国の文化は、建築、文学、
音楽、書道、絵画、彫刻、印刷、医学、飲食と多岐に渡り、
黄檗文化とも。隠元豆も、明朝体の文字もその際に。


黄檗ランタンフェスティバルも魅力的


そろそろ旅も終わりして帰路へつく


日本の寺院にも様々な宗派があり、多様な意匠が散り
ばめられている。今回、訪れた黄檗宗萬福寺は中国の
雰囲気が色濃く残る所。その広大な伽藍にも驚きつつ、
他の寺院との違いも思い浮かべて、寺院を後にする。
今回の旅はここまでとし、後は帰り道の風景を楽しみ
つつ、途中の駅で折りたたみ自転車をのせ帰路につく。


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