lNTERMEDIAによる建物のデザイン
自転車の旅は自由きままだ。旅の途中に気になるもの
があれば止まって、眺めカメラに納める。風景や建物、
サインやアートに植物に、面白いと感じるものすべて。
旅をして旅を見返す程に、興味の方向は変わっていく。
その中でも建物は大きな要素だ。風景になじんだり、
形づくったり、そして季節や時間で、その姿は見え方を
変えていく。旅の途中で出会う建物を見るのも楽しい。
SからNへの旅の途中、umino わ という面白そうな
建物に出会った。三角の建物の形や特徴的なサイン
など、一目で他とは違うと伝わるデザインである。
uminoわ は東彼杵町にある住民と観光客の交流拠点。
カフェ、コインランドリー、縫製所が入る施設である。
建物の形、敷地との関係からも見応えがある。設計は
INTERMEDIAという島原市が拠点の設計事務所だ。
INTERMEDIAの佐々木翔氏は設計事務所のSUEPの
出身。佐賀の旅のY形の建物の設計にも携わっている。
嬉野にある幼稚園。複雑な形にわくわくする。
福岡で出会ったこども園。アクティビティにあふれる
同じ旅で見たもう一つのこども園もINTERMEDIA。
東京で約5年勤められた佐々木氏は生まれ故郷である
長崎の島原に戻り、父が主催の設計事務所に入られた。
島原城の近くの武家屋敷オフィス。その場にしかない
固有の空間で、地域に溶け込み根ざし活動されている。
空が広ければ、建物が切り取るスカイラインも変わる。
島原は次の旅の目的地。旅の楽しみがまた一つ増えた。
旅の途中のデザインされた建物。意図された形は空間
を区切り、人々の動きを作り出す。本当は建物内部を
歩き回りたいが、それがかなわぬこともある。それでも
建物の内部のことに思いはせば、デザインされた形に
共感できる。INTERMEDIAがつくる様々な形。旅の
楽しみのひとつは、デザインとの出会いでもある。