美術館のようなショールーム
キッチンハウス 福岡ショールーム 窪田勝文 2014
キッチンハウスは、ドイツ製のシステムキッチンの
輸入販売を経て、1984年には自社工場を国内に
設立したキッチンメーカーである。
キッチンへのこだわりに通じる建物にかける思い。
一般的なショールームからは、かけはなれている。
設計コンセプトは「心の開放」であるとのこと。
物理的な開放感が、心の開放につながるらしい。
軽やかに湾曲している庇や屋根、
ゆるやかに傾斜をつけられた壁、
床から天井までの開口部によって、
空間は内から外へとつながっていく。
視線は建物の内と外とを自由に行き交い、
なんとなく開放的な気分になる気もする。
ショールームというより美術館のようである。
心の開放ということからも、そのほうが相応しい。
ミュージアムショップで、財布の紐が緩むのは、
心が開放されているからなのかもしれない。
空間に満たされ、心もオープンになることで、
キッチンを購入したい気持ちになるのであれば、
この建物こそ、ショールームに相応しいと思う。