100年先を見据えたものづくりの形
IROHA village 中村拓志 2018
大正十四年に広島の宮島で創業した藤い屋は、
90年以上に渡りもみじ饅頭を作り続けている。
100年先も作り続けていくことを見据え、素材
の生産や研究などができる施設をつくっている。
IROHA villageは広島市佐伯区五日市に2018年
にオープン。伝統の製法で、もみじ饅頭を作る
生産工場、食材を育て研究する「畑LABO」
ベーカリーやカフェなどからなる施設である。
設計は中村拓志氏である。コンセプトが鮮やかに
形に変わり、そこにしかない建物が生み出される。
屋上はハーブガーデンとなっていて、周囲の
植栽と共に、緑に包まれた建物となっている。
建物というより、立体的な畑という感じで、
明るく開放的で、土の匂いがする場所である。
カフェの外壁は木や、塗り壁で仕上げられ、
やわらかくて優しげな雰囲気の建物である。
内部も木の仕上げで、色合いも優しい雰囲気。
もみじ饅頭をただ作り続けていくだけではなく、
素材から育て研究し、工場で作る所を公開して、
作りたてのお菓子を工場やカフェで提供する。
そこには、これから先の未来、もみじ饅頭を
届けていきたい消費者とともに歩んでいこう、
寄り添っていこうという気持ちが感じられる。
先日は、にしき堂のもみじ饅頭を頂いたが、
次の機会には、藤い屋のもみじ饅頭や古今菓
という新しいシリーズも味わうことにしよう。
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