![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65873418/rectangle_large_type_2_f07511051b5a27c393c2ef1f21326868.jpg?width=1200)
ものづくりの殿堂にふさわしい空間
竹中大工道具館
2014 竹中工務店
日本で唯一の大工道具の博物館である。
収集された資料は35,000余点にものぼる。
新神戸駅から歩いてほど近くにある敷地は
自然と調和し、周囲の山並みに溶け込んでいる。
和風門をくぐった緩やかなスロープの先に、
むくりの付いた瓦、軒裏の木の色合い、
水平ラインが美しい屋根が見えてくる。
石畳のアプローチはゆるやかに折曲り、
緑と一体となった建物はさまざまな表情を見せる。
階段の端部のゆるやかな立ち上がり、
外構の手すりの支柱をなくした納まり、
軒裏に納められた存在感のない照明、
訪問者を出迎えるドアの木の素材感、
ものづくりへのこだわりが、
いろんな所から伝わってくる。
建物の内部に入ると奥には中庭が見える。
ガラスによって、内部と外部が一体となり、
光と緑に溢れた空間は気持ちよい。
展示室は、その中庭をぐるりと囲む階段を
降りた先の、地下空間に広がっている。
中庭から自然光が取り込まれることで、
地下であるのに、心地よい明るさがある。
建物随所にみられる細部への工夫や
展示されている大工道具の美しさなど、
ものづくりへの情熱に触れることのできる
すばらしい建物である。