橋を越え、地域の交流拠点の建物へ
佐世保市の早岐駅から始まった旅。出番を待ち続ける
フェリーターミナル、100年もの時を重ねた無線塔、
新しく生まれ変わるリゾートホテルをめぐってきた。
さて次は、ようやく橋を越えて西海市へ。その橋の名
は西海橋。その先に見えるのは遠くに見た新西海橋だ。
西海橋と新西海橋の様子がよくわかる動画も
1955年に完成した西海橋は、当時東洋一のアーチ橋
と呼ばれたという。西海橋がかかる針尾瀬戸は水深
40mで速い潮流から海中に柱を設けることができず、
両岸からのアーチを中央でつなぐ工法が用いられた。
戦後間もない1950年に始まった工事で、物資の乏しい
時代に、鋼材を節約しつつ求められた強度とデザイン。
当時の日本の技術者の発想力、時代を越えるデザイン
に驚かざるをえない。そして戦後土木施設の架設橋梁
として、初めての重要文化財として認定されている。
そしてその56年後に開通した新西海橋。西海橋の
アーチに呼応するようにデザインされた異なる形
のアーチ。赤い西海橋に、青い新西海橋。ふたつの
アーチの橋が並ぶ景観は、この地ならではのものだ。
やさしい歌声。絵はイラストレーターの福田利之さん
福田俊之さんはTUBOMIのアルバムのイラストも
INTERMEDIAにより手掛けられたHOGET
以前の旅でも他の建物にも訪れた
一周年を迎える地域の交流拠点のHOGET
古民家を改修したHOGETは、カフェであり、レンタル
オフィス、イベントスペースでもある地域の交流拠点。
コンセプトはいろんなモノや人の交流により、新しい
ものを生み出していくという想いが込められている。
内部は小屋組の見える吹き抜けとした開放感のある
空間。白のエキスパンドメタルは空間を緩やかに遮り、
透過し、明るくする。それは壁や扉や衝立になったり、
ディスプレイパネルとなったりと、とてもおもしろい。
古いものが新しい素材やアイデアで活かされた空間
に生まれ変わっていた。新しいデザインが挿入され、
古さが新しさへと転換する。そんな空間をカフェモカ
を頂きつつゆっくりと味わうも、まだまだ旅の途中だ。
来た道を引き返して、もう少し西海市の奥へと進もう。