京都の街に散りばめられた素材をたどる
新風館を後にする。そこには銅板の庇、細いルーバー、
金網のスクリーン、木組みの架構。建物を包み込む素材
は異なるものでありながらも、調和を生み出している。
小さな自転車で街をゆっくりと進む。京都の街には、
車輪の小さく、小回りの利く自転車がちょうどよい。
街に散らばる素材に目を止めては、自転車を降りて
眺めたり、もっと近づいてみる。京都には古くから
残る日本家屋もあれば、新しい素材も点在している。
工芸の視点から生み出された建築
代表の細尾真孝氏は、西陣織の未来を切り拓いている
150cm幅の西陣織の布が世界へとつながって
縦と横の調和によって生まれる織物。その調和の先へ
古都・京都において1200年前より受け継がれてきた
西陣織。そしては元禄元年(1688年)京都・西陣に
おいて創業した「細尾」。そこでは伝統のある西陣織を
新しいデザイン、様々な分野との協業、分業による生産
により新しい価値を取り入れ、世界へ発信されている。
西陣織を様々な分野へ。スピーカーにも
ライカのボディも彩って
そのテキスタイルはインテリアを艶やかにする
そして外装へと。限りなく広がる西陣織の世界
着物に使われていた素材は、様々な協業が図られて、
エレクトロニクス、プロダクト、インテリアそして
建築へと展開されていく。伝統はつむがれて、革新
されて融合し、また新しい時代が切り開かれていく。
京都の街には伝統と革新に満ちた空気が流れている。