その階段の先に佇む山荘へ
美術館を後にし、その先の階段を上り、しばらく進む
と木々に囲まれた建物が見えてくる。その建物の名は
山荘無量塔。ゆふいんの御三家とよばれる温泉宿で、
由布院 玉の湯、亀の井別荘と並び称される。客室は
すべて離れで、木々の中に点在した配置となっている。
1992年に現在の山荘無量塔としてスタートし、古民家
の再生を軸に古いものと新しいものをつなぎ、再創造
し独自の世界観を展開されているという。ほんの通り
すぎただけではあるが、建物の佇まい、点在する離れ
の雰囲気、内部を見ることができた蔵拙(ぞうせつ)に
ある空間にも、豊かな世界観を感じ取ることができた。
アルテジオやカフェのthé théoは、山荘無量塔の施設
のひとつ。古きものを大切にしながら、新しい価値を
生み出すという空間づくりの一貫の施設であったこと
に納得する。ゆふいんの山手にある山荘無量塔。いつか
また訪れたい宿が増えていく。併設されたTan's barは
宿泊でなくても利用できるようなので、アルテジオに
併設のthé théo(テテオ)とあわせて、次にはカフェの
はしごをしようか。今度はゆっくりと時間をとって。
ゆふいんの山手へのサイクリング。小さな自転車では
その坂は厳しいものがあるが、その先で出会える風景
を目指せば気にならない。アルテジオや山荘無量塔、
豊かな空間や風景に出会うことができた。さあ一気に
坂を下ってゆふいんの町へ。次に目指すのは14時に
予約している美術館。ちょうどよい時間となってきた。