愛され続ける三井港倶楽部
三川坑のレストハウスを通り抜けると樹木の向こうに
大きな洋館が建っている。その建物は明治41年(1908)
に三池港の開港と同時期に建てられた三井港倶楽部。
社交場や宿泊接待所として活用され、皇族や政財界の
重鎮にも利用された迎賓館であったという。1987年に
一般に公開され、結婚式場としても利用されている。
重厚感のある設えと、大きな窓から入る光が印象的。
建物の老朽化に伴い、2018年にリニューアルオープン
した三井港倶楽部。レストランでの料理が一新されて、
「フレンチの鉄人」坂井宏行シェフの監修によるランチ
やディナーが提供されている。また、文化財の空間での
ウエディングができる式場としても活用されている。
この三井港倶楽部も一度、施設の撤去の話があった
そうだが、地元の経済界や市民による保存運動により
残されたという。歴史のある建物が、改修されて使い
続けられていることに、とてもうれしい気持ちとなる。
そこに刻まれている物語を知り、より深く街や建物を
好きになる。時間があれば、コースランチも頂きたいと
思ったが、この旅はタイトな行程なのでまたいつか。
旅は時に計画的に、時に自由に、きままに楽しもう。