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その空間をたどり形を楽しんで

姫路の街歩きを続け、石の彫刻を後にして

西へとしばらく歩くと大きな空間を持つ建物が見えて
くる。圧倒的な外観、素材感。道路に対しそびえる壁面。
かつて通りがかったことのある建物と空間と形。その
シンプルで複雑な構成を、あらためて見上げてみる。

街を歩けば、その先にそびえる壁面
その壁面に散りばめられた形
プレキャストのコンクリートの壁面には
花崗岩が埋め込まれている。同じパターンの壁面を
みつけることができないほど、複雑に、ランダムに
それは建物の入り組んだ部分にも
受ける風雨によって色合い、質感に差は生じて
その壁面と形と圧倒的な空間を見上げる。そこは
美術館のような、劇場のような、何かの舞台となるような
訪れたのは姫路市中央保健センターで、休日
に使われないのはもったいないと思えてくる
アプローチの先のエントランスはひっそりと
それよりも吹き抜けの複雑な空間が主張された建物に
壁面に埋め込まれた一つ一つ形の違う花崗岩
それらは大きな壁面を埋め尽くすように散りばめられて
内部に入ってみたいけど、休日なのであきらめて
ただそこに繰り広げられる空間や形を楽しんで
とてつもない建物が姫路市に建てられている
正面から側面にまわってもその壁面は連続し
さらに複雑に、そして曲面まで
正面のシンプルさとは対照的な構成に
つい隣の寺院の飾り瓦に目を留めつつ
もう一度、圧倒的な空間とガラスの円錐形を見上げつつ
壁面の段差は正面側のプロポーションの調整のようにも
姫路の街中に圧倒的な存在感で建つ建物を後にして

大きな吹き抜けの下を思い出しながら

姫路市中央保健センターは以前の記事でも

黒川紀章が設計した様々な建物。旅先で出会う
その空間をたどっている。もちろん形も楽しんで。

円錐形といえば黒川紀章のデザインのモチーフで
過去の愛媛県への旅や
福井県の自然に囲まれた場所で
福井県の街中で。これは円錐形が逆さに地中に埋まるようにも
建物の一部に用いられた円錐形も


黒川紀章によって手掛けられ、1994年に竣工した
姫路市中央保健センター。同年には愛媛県総合科学
博物館、1996年に福井市美術館、2000年に福井県立
恐竜博物館、そして2006年に国立新美術館や他に
も手掛けられた数多くの建物が今も建ち続けている。
特徴的なその空間と形。ひとつのモチーフによっても
つながりを持つデザインをいろんな角度で楽しんで、
これからも黒川紀章が残した建物をたどっていこう。




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