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日本建築に散りばめられた瓦をたどる

昨年の10月に関西に戻ってきてから、まずは京都へと
旅をした。最初は京都の通りをたどり、次は京都の西の
嵐山の方へ。最後は北へ上ってきぬかけの路に面した
世界遺産の寺院もめぐる。その途中に様々な寺社仏閣
の日本建築。続けて訪れれば、その違いが見えてくる。

 

四半敷の四角の意匠の鬼瓦

京都の街に散りばめられた日本建築



屋根の頂部の獅子口足付の鬼瓦

下鴨神社の摂社の河合神社も訪れた



鈴虫寺の鬼瓦は数珠掛若葉に

鬼瓦の下の破風板の下には懸魚(げぎょ)という妻飾り



三つ葉葵の紋の獅子口足付の鬼瓦。松尾大社の神紋の葵

徳川幕府の許可で三つ葉葵紋を使用していたという



棟に積まれた熨斗瓦の繊細な意匠。軒丸瓦は菊の紋
こちらの軒丸瓦には巴紋。古くからあるものに多いという
瓦の上の飾り瓦をたどるのも楽しくなってきた
広隆寺の手水舎は棟の瓦が重厚に

国宝も楽しみつつ、日本建築の部分も楽しんで



広大な境内を持つ妙心寺も訪れた。唐破風の庇の上にも鬼瓦
鬼瓦に経の巻足付。その意匠にも違いがある
仏殿に設置された大きな鬼瓦も見上げつつ
大方丈への門。格式の高さを伝わってくる
大方丈の妻面には立派な鬼瓦と懸魚
麟祥院には軒丸瓦の折敷に角三文字の家紋
獅子口一文字の鬼瓦の紋は北条鱗かな
三つ葉葵紋の軒丸瓦や狛犬の飾り瓦にも目が止まる
いろんな瓦が散りばめられた

妙心寺の広大な境内も楽しんだ



妙心寺では大心院にも立ち寄って。足元の三角の石張りや
唐破風の屋根の鬼瓦や欄間の龍にも目を止める
鬼瓦に懸魚に海老虹梁。桃の飾り瓦まで
これは以前の建物の鬼瓦だろうか
さまざまな意匠の屋根の連なりも面白い

知れば知るほど日本建築への視野は広がっていく



鬼瓦もさることながら、気になる角張った唐破風の意匠

大心院から退蔵院へ。みどころの多い妙心寺



妙心寺を後にして仁和寺へ。豪華な勅使門や
瓦の意匠もたどりながら、境内に建つ日本建築をめぐる
金堂の屋根の棟に連なる繊細な意匠の熨斗瓦や
経蔵の鬼瓦も楽しんで
経蔵の奥に見えるのが金堂の建物

御室の地に建つ仁和寺は世界遺産でもある



その旅は世界遺産をたどる旅にも。龍安寺も訪れた
塀の瓦には細川勝元の家紋の五七の鬼桐

旅を振り返り、瓦に刻まれた家紋も知ることに



金閣寺の庫裏の壁面や瓦の意匠も振り返る

きぬかけの路に面した三つの世界遺産を訪れた



そして旅も終わりへ。平野神社の鬼瓦と立派な破風の拝み飾り
拝殿と奥にみえる本殿の屋根。平野造とよばれ重要文化財に



何かを意識すれば、日常でもその意識したものが目
に入ってくる。今まで何気なく通り過ぎていた寺院
や神社に使われている瓦や屋根の意匠に目が止まる。
日本建築の細部への旅は始まったばかりだ。他にも
散りばめられている意匠を少しずつ楽しんでいこう。


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