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山香文庫での思いがけない出来事

今日も、カテリーナの森でコンサートがある。
しかしチケットがない。事務局に電話をすると
チケットがないと入れないという確かな回答で、
他のお客様にも同様にお伝えしているとの事。

仕方がないので、せめて昼間のカテリーナの森
の雰囲気を見て帰ろうと気持ちを切り替える。


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とにかく進むことにする。日出町から10号線に
沿って緩やかな坂道をのんびりと上っていく。
天気もよく川沿いの風景が気持ちよい。まずは、
宿泊の予約がとれなかった山香文庫を目指す。
途中にあるので、佇まいだけでも見に行こう。


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山香文庫に到着。昼間は開いていないのかなと
様子を伺っていたら、ご主人が出てこられた。

どこかに出られる様子である。挨拶をさせて
頂き、山香文庫の雰囲気を見に立ち寄ったこと、
本日もカテリーナの森に行くが、チケットが
ないので、様子だけ見に行くなどの話をする。

そうすると、ご主人から、「本日、チケットを
入手していたのですが、コーヒー店の手伝いで
スタッフとしての参加となり、チケットが不要
となったので、譲りますよ。」といって頂いた。

「・・・」予想外のお言葉を頂く。少し思考が
追いつかなくなりそうになるが、本当に大丈夫
ですかと、確認をして遠慮なく頂くことにした。
山香文庫を調べて、立ち寄って本当によかった。


まさかの出来事に遭遇し、一気に気分が高まる。
カテリーナの森で行われる午後のイベントまで、
時間があるので、山中に位置している熊野磨崖仏
に行くことにした。湿布の効果もあり足首は大丈夫
である。意気揚々としているし、時間も十分にある。

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山香文庫から熊野磨崖仏までの道のりは、しっかり
とした坂道であった。なんとか到着するも、参道は
想像以上の上り道で、その先に石段が続いている。
時間はあるが、疲労は蓄積していく。でも、険しい
道の先に、まだ見ぬ光景があるはずと思って進む。



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石段を登った先に、熊野磨崖仏が姿を現した。
左に不動明王、右に大日如来が刻まれている。
不動明王は憤怒相でなく、柔和な慈悲相なのは
他の石仏に見られない珍しい例とされている。
確かに穏やかな表情に心が和む。がんばって
登ってきた甲斐があった。穏やかな空間がある。

熊野磨崖仏は、約900年以上前に作られたと
推定されている。国の指定史跡でありながらも、
美術工芸品として重要文化財指定も受けている。



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磨崖仏のすぐ上にある神社にて、今回の旅
での出会いに感謝し、安全を祈願させて頂く。


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急な石段を登れば、帰りの石段も急である。
あせらず、一段一段、ゆっくりと進む。


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駐車場には、豊後高田市の観光案内の看板が設置
されていた。長崎花と真玉海岸も記載されている。
豊後高田市の観光サイトでは、千年のロマンと
いやしの旅が紹介されている。ちょっとした
ハプニングはあるけれど、確かにいやしの場所
からロマンのある場所への旅を満喫できている。

時計を確認する。まだ時間は大丈夫。
もう一度、カテリーナの森へ向かおう。

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