規則性がもたらす心地よい不規則性
キュービクスとセラ
オランダのネフ社の積み木である。
パーツを全て組み合わせると、
どちらも100mm角の立方体となる。
それぞれで、分割の仕方が異なる。
キュービクスは、25mmの立方体を
組み合せた10個のパーツに分割され、
セラは、厚さ10mmの板状の形を
組合せた9個のパーツに分割される。
単独でも様々な形を作ることができるが、
組み合わせることで、25mmと10mmの
規則性が、意外な不規則性を作り出す。
その不規則性には、心地よさがある。
何かの規則性によって、形作られたものは、
それらが持つ制限により統一感が生み出される。
逆をいえば、美しい規則性が設定されることで
出来上がるものにも、美しさが包含されると思う。
積み木に限らず、いろんなものに規則性が
潜んでいる。それらが、組み合わさることで
生まれる形がある。部分から、全体から、
いろいろな見方をすることで、形に込められた
メッセージに気づくことができればと思う。
そんな事を考えながら、子供達がかつて
遊んで積んでいた形を見返してみる。
大きくなった子供たちに、遊ばれること
はなくなってしまったが、今でも、
部屋の片隅で存在感を放ち続けている。
やはりネフの積み木はよく出来ている。