街とつながる芸術文化の創造の場へ
司馬遼太郎記念館を後にして
東大阪の魅力のある建築をたどっていく。また自転車
にまたがって、北へ進んでいくとコンクリートの打ち
放しの建物が見えてくる。ここは2019年に開館した
東大阪文化創造館。街角広場を中心とし、街のリビング
のような居心地のよい空間づくりが目指されている。
その作品はラグビーボールを観察するワークショップ
によって導き出された、たくさんの形や言葉をもとに
作成された3.2m×1.8mの原画を拡大し、ホーローに
焼きつけ、中庭の高さ9.5mの壁面に設置されたもの。
交流のひとつの要素としてデザインに組み込まれて
デザインは大崎淳司氏。人と人が出会い、つながり、
にぎわい、何かを生み出す創造性がイメージされて
つながっていくイメージは一筆書きで表現されている
大崎氏の魅力的な作品の数々。ニフレルのロゴも
ここで新たな文化がつながり、創造されていく
美しい竣工写真の数々も
他の自治体でも次々と建てられている音楽ホールは
芸術活動や交流が生まれる場としてデザインされて
おにクルでは、日々何かが起こり、誰かと出会う
佐藤総合計画が手掛けた東大阪市文化創造館。建物の
ボリュームを構成する箱は、内部の活動や交流が外部
へとにじみ出るようにと、透明感が与えられている。
建物を構成する箱は形を変えて組み合わされ、動きを
もたらして見た目にも楽しげだ。建物の仕上げと色は
抑えられ、市民活動が鮮やかに映える背景として作ら
れている。回遊性のある通路は人々の動きを可視化し、
それは舞台のように。建築を訪れ内外の空間を楽しむ
のも旅の目的のひとつ。大阪の南への旅もあと少し。