そしてまた旅を始めよう
壱岐を旅した。そこにある自然、建物、風景の中に身を
委ね非日常の空間、日常の風景を思う存分に楽しんだ。
フェリーに乗り博多港に着き、また日常へ戻っていく。
おりたたんだ自転車を広げ、夜の博多を家路へ向かう。
ふと、旅とは何かについて考えてみる。新明解国語辞典
の語釈は下記の分であるが、私にとっての旅とは何か。
大辞泉の「あなたの言葉を辞書に載せよう。2015」
という企画では、10個の旅の語釈が選定されている。
旅もいろんな捉え方がある。気になった3点を抜粋。
旅には行動がともなう。移動することで視点が変わる。
共感できる。受け入れることで新たな視点が得られる。
旅が自分の活力のきっかけとなっているのは確かだ。
改めて考えてみる。私にとっての旅といえば、
日常から離れ、ほかの土地にある自然、建物、それらが
織りなす風景に身を委ねること。そして、そこにある
非日常、日常の風景を通して新しい視点に出会うこと。
また日常に戻って、その視点で日々を見つめ、眺めて、
感じること。日々の生活の中に、旅先での風景を感じ、
また旅先に日常の風景を想う。その繰り返しだろうか。
旅をして、振り返って、また旅をする。その繰り返しを
楽しんでいる。何かを探し求めているわけでもないが、
そこで得られる何かに、価値を感じているのは確かだ。
旅は楽しい。いろんなものに触れ、感じる。そこで得た
視点で日々を見つめれば、日常の景色も変わってくる。
また旅を始めよう。博多港からの家路を自転車で走る。
その日、博多ではFaN Weekというアートイベントが
開催されていた。道路の向こうには光る建物が見える。
その幻想的な光につられて、ふと、そちらへと向かう。
博多で以前もライトアップイベントが行われている。
2018年には同じ東長寺でannolab が参加されていた。
博多織を題材としたプロジェクションマッピングだ。
annolabといえば、太陽の月の部屋が印象的だった。
あらためて見ると、とても面白そう。来年を楽しみに。
きっと気づいていないだけで、日々の生活の回りにも
いろんな楽しさがある。アートイベントや、お祭りの
ような目に見えて印象的なこともあれば、普段の日常
の中で移り変わっていくものもある。季節により公園
や河川の樹木は装いを変え、花は色とりどりに咲く。
自然や建物も、太陽の位置によって見え方を変える。
その視点は旅先に日常に、ゆるやかにつながっていく。
また、旅を始めよう。