縁結びの神様に想うかけがえのない出会い
「縁結び」の神様として信仰されている竈門神社。
主祭神に玉依姫命(たまよりひめのみこと)を
お祀りしていることから魂(玉)と魂を引き寄せる
引き合わせる(依)という御神徳により、古くから
縁結びの神として広く信仰されているとのこと。
そんなこともつゆ知らずに、お祈りをしたが、
いま思えば、いろんな所で出会うものたちが、
なんとなく繋がっているような気がしている。
これからの行動も何かとつながる予感がする。
昨年春、福岡に赴任し間もない頃のことである。
何も知らずに訪れた竈門神社との御縁を感じる。
宝満宮竈門神社 社務所 2012
社務所 種村強
お守り授与所 片山正通
石のスツール ジャスパー・モリソン
古きよきものと新しさが入り混じった空間である。
お守り授与所のやわらかい色の短冊状の壁面は、
神社の象徴の桜をイメージしたピンク色の天然石。
人の想いがそれぞれ異なるように、一つ一つの石の
大きさをあえてランダムにして、一人一人の想いが
表現されているとのこと。天井一面は桜模様で、
竈門神社の桜紋がデザインに取り入れられている。
内装の色合いや天井のパターンに織りなされる
なんとも華やかで優しく気持ちのよい空間である。
建物の奥に風景を一望できる展望テラスがある。
テラスのある社務所を訪れたのは初めてである。
この立地の特性をいかんなく生かした設計である。
そこにはジャスパー・モリソンのデザインによる
石のスツールと二人掛けのベンチが置かれている。
ベンチの座面は驚くほどなめらかにくるくる回る。
くるくるしたい童心をくすぐるデザインである。
お守り授与所、展望テラス、そして石のスツール。
この空間にかけられた熱意をひしひしと感じる。
訪れた人に寛ろいでほしい、風景を感じてほしい
楽しんでほしいという、もてなしの想いを感じる。
太宰府駅からの竈門神社までの距離は2.6km。
後半はきつめの上りが続いて、つい自転車を
降りて引いて歩いた。心身ともに鍛え直して、
今度はあらためて御縁へのお礼に訪れよう。