唐臼の音が響く里で
工藝風向で見た一枚の写真。うつわをつくる男性の姿。
ラフな雰囲気に興味が湧く。どんな人なのだろうか。
また、どんな場所でうつわが作られているのだろうか。
購入したうつわを眺める程に小鹿田への思いは募る。
リーチ先生を読んだ。陶器の魅力がつまっている物語。
陶器にかける熱い思いを感じ、小鹿田で刻まれた歴史
を知る。読むほどに、民陶の里への思いを強くする。
ついに小鹿田を訪れる日が来た。どこまでも続くかのような坂を上ると、眼前に民陶の里の風景が広がる。
土に対し、水に対し、火に対してピュアであること。
様々な葛藤の中で、美しいものが作り続けられている。
未来を見据えつつ、大切なのは今。この瞬間の作品。
ものづくりへの思いと、生み出される作品に感動する。
小鹿田焼の里。焼き物が作られている風景と出会った。
小川のせせらぎ、響く唐臼の音。日干しされるうつわ。
登り窯と煙突。建物の中には、様々な形の小鹿田焼。
民陶の里の音風景を感じつつ、今も変わらず小鹿田で
作り続けられている陶器に触れた。工藝とよばれる
美しさは陶器だけでなく、この里全体から感じられる。
ここでしか見ることのできない、技術と美しさがある。
長く続くものづくりとは何か。受け継がれてる技術に、
古きよきものを大切にして、見出される新さもある。
ただ、ものづくりに対する真摯なまなざしが、美しい
ものを生み出すと感じる。確かなものづくりに触れ
美しさを知る旅。この気持ちを忘れないようにしよう。