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奈良の素材が散りばめられた空間へ

図書館でゆっくりとする間もなく

次の目的地を目指し、奈良の街を北へと向かう。そこは
奈良市の中心部の県有地を活用して、新しいホテルや
会議場などが整備された場所。次に訪れたのは2020年
4月に開業した奈良県コンベンションセンター。建物
の外観は正倉院の校倉造りがイメージされて、内装に
は奈良の素材を生かした空間づくりがなされている。

街の区画に渡り、特徴的な水平ラインが続く
バス乗り場の庇の木材による格子天井のデザインは
奈良県コンベンションセンターの大屋根へと
バスの待合スペースづたいに連続していく
内部のベンチに設置されたクッションのような木の座面は

下市木工舎 市により鉋で仕上げられた吉野杉

道路ごしに大屋根を見上げつつ
道路上に架けられたデッキへの階段を上り
奈良県コンベンションセンターの内部へと
大屋根の向こうにも続く建物のデザインは
正倉院の校倉造りがイメージされている
そのデザインは内部へ木材を用いて連続し
こちらのベンチも下市木工舎 市によって。大きな壁面の

吉野杉皮和紙という手漉き和紙は福西正行氏によって

その和紙の壁面に落ちる影も見上げつつ
通路の奥には四天王。宝塔を持つのは多聞天
立体的な壁面の木材の断面の形も楽しんで
ラウンジに設置されるしなやかな形を持つベンチは

木工作家の平井健太さんによるもの。吉野杉は様々な

形にデザインされている。天井の間接照明には

花井慶子さんによる吉野杉の面皮を用いた天井アート

内部空間を構成する奈良の素材やデザインをたどりつつ
1階に降りて内部空間をぐるりとめぐれば
四天王の持国天。造形と鮮やかな色合いにみとれつつ
壁や天井にふんだんに利用された奈良の木材に囲まれて
天井を見上げれば円柱を囲うダウンライト
出入口には木の加工も。こだわりのデザインが散りばめられて
フロントのカウンターも複雑に。奥の鮮やかなアートパネルは

山野将志さんによる奈良の神饌、正倉院の宝物柄で

壁面の柔らかな光の帯は、ガラスに吉野和紙と吉野檜を

貼り合わしたものは、坂本尚世さんによって

奈良の素材とデザインが散りばめられた

建物の内部の空間や素材も楽しんで
ガラスにプリントされた奈良のモチーフ
ガラスだけでなく鋼板にも焼き付けられて
そしてロビーで人々を出迎えるのは大きな多聞天

作者は籔内佐斗司氏。様々な作品を手掛けられている

空間や素材やデザインを楽しみながら
奈良県コンベンションセンターを後にして
最後に案内板にて建物の構成を振り返る

4年前のオープンの頃の動画も参考に

ウッドデザイン賞にも選ばれた建物は大林組と

梓設計が共同で設計して

奈良県図書情報館をさらに北へと進みながら

奈良県コンベンションセンターの校倉造りをイメージ
したデザインは外部から内部へとつながり、内部には
木材が多用され、柔らかな空間が広がっていた。他にも
散りばめられたデザインに引かれつつ、向いの建物へ。

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