不安げな空の下で始まった旅
2月の中旬のこと。朝、目が覚めると、あいにくの雨。
朝といっても、街が動き出す前の早朝の時間。手短かに
出かける支度をすませ、マンションを後にする。辺りは
まだ暗い。手早く、自転車を広げ、暗がりの中、自転車を
こぎ出す。思えば、暗がりは要注意だった。でも一日は
始まったばかりで期待に満ちている。博多駅へ自転車
を走らせ、駅前で自転車をたたんで、電車に乗り込む。
いつもの旅のルーティーン。さあ新たな旅を始めよう。
近代化産業遺産の記憶。いつかゆっくりと訪れたい所
黒い外壁とヴォールト屋根に原美術館ARCを思う
今も愛され続ける磯崎新氏が設計した建物の数々
カベポスターも大声大会のネタでその名を叫んでいた
ゆふいん。大阪に住んでいた頃は、とても遠くにある
別の世界の憧れの地。単身赴任で博多にきたことで、
その距離が縮まった。一昨年の4月から、こつこつと
九州を旅して、ようやくここまでたどりついた。雨も
上がり晴れ間もさして、期待に満ちた一日が始まった。