線は重なり、影をつくり、円を描く
広隆寺を後にする。また自転車に乗り北を目指して、
途中に気になるものがあれば立ち止まる。道路沿いの
共同住宅のエントランスのデザインが目に止まる。横
のラインが強調されるように縦のラインは控えめに。
街にはいろんな建物がある。どの道をたどるかにより、
その日の旅はかわってくる。道沿いの公共施設の回り
をめぐれば、建物は形を大きく変化させていく。通路に
かけられた鉄骨とガラス庇の線は、影により強調され、
折り重なる。それは建物の線と交差し、複雑なリズム
を奏でつつ、やがて線はゆるやかになり円を形作る。
変化していく線をたどって、円の形となるデザインを
楽しんだ。円の形に、過去の建物を思い浮かべてみる。
旅を何度も振り返り、いろんな角度で楽しんで
また福岡での自転車の旅も思い出して
九州を家族で旅したことも思い出す
旅をすれば、いろんな風景や建物に出会う。ふとした
ことで振り返り、記憶をたどれば、それらはゆるやか
につながって。描かれた円は、それぞれに意味がある
だろうと思いつつ、また旅をするように楽しんでいる。