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展覧会 岡本太郎を満喫しよう

博多駅から新大阪まで新幹線で移動し、在来線に乗り
換え大阪駅に到着した。大阪中之島美術館にて開催中
の岡本太郎展を目指し、梅田から中之島まで歩く。寄り
道しつつも時間通りに到着。さあ展覧会を楽しもう。

入り口では黒い太陽が待ち構えている

序盤ではかなりの量の絵画が展示されている。川崎市
岡本太郎美術館も訪れたことがなく、これだけの量の
絵画作品をみるのは初めてだ。ありがたいことに、一部
の作品以外はすべて撮影可である。記録に留めよう。

1936 痛ましき腕
パリでのこの作品を、当時の自分そのものと評している
1949 黒い太陽
黒い太陽に根源的な生命と切り離された人間の苦悩を表す
1950 森の掟 
巨大な赤い猛獣から逃げ惑う人や動物。不協和音が鳴り響く
1951  駄々っ子
岡本太郎氏は自分にこの駄々っ子を重ね合わせる。手強そうだ
1955  燃える人
1954年の第五福竜丸事件を題材とした作品。激しい作品だ
光る彫刻は黒川紀章氏設計の寒河江市役所に。いつか訪れたい
坐ることを拒否する椅子。でも座ってみたくなる
岡本太郎氏の作品は、海洋堂のフィギュアが充実している


梵鐘・歓喜は名古屋の久国寺から依頼を受けて作られたもの
家にあるいくつかの海洋堂のフィギュア。細部の強いこだわり
縄文人という作品。縄文時代のエネルギーが内包されている
河童像は日本カッパ龍神祭りのシンボルとして作られた
フィギュアの精度が高い。ユーモラスな雰囲気を持つ作品だ
赤い手・青い手は相模原市の西門商店街に設置された作品
このフィギュアが一番好き。指先や手の形がとてもよい
こどもの樹は青山にあったこどもの城のためのモニュメント
建物はリニューアルし、こどもの樹も残された。楽しげな作品


岡本太郎氏の作品は赤のイメージ。楽しげな椅子の数々
ネクタイは意外に落ち着いた色。でも付けるには少し勇気も
夢の鳥のティーセット。ポットがの存在感がすごい
飛行船だってある。下には若い太陽の塔と女神像
飛行船が飛んだのは1973年。アートのスケールが大きい
若い太陽の塔は太陽の塔よりも先につくられたもの
フィギュアでは螺旋階段も表現されている
実物は犬山モンキーパークにある。黄金の顔が輝いている


犬の植木鉢はとてもかわいらしい
岡本太郎記念館にもいくつか設置されている


みつめあう愛。横には懐かしの近鉄バッファローズのロゴ
江坂のダスキン本社には見つめあう愛の陶壁画がある
江坂にあったカーニバルプラザのキャラクターのリオちゃん
看板はレストランから移設され、江坂の公園に設置されている
太陽の塔は内部の見学ができるようになり、より身近なものに
内部には生命の樹が展示されている。こちらも巨大な作品


ノンは万博時に太陽の塔の地下にて展示。近代への否定の意
フィギュアの質感がよい。ノンと力強い否定の声が聞こえそう
大阪万博の際に収集された世界の仮面に合わせ、作られた作品
フィギュアがよくできている。改めてみると不気味さが漂う
明日の神話のための下絵。核の恐ろしさが表現されている
実物は渋谷駅に展示されている。とてつもない絵である
黒い眼を強調した作品群。晩年まで描き続けられた
午後の日は穏やかな雰囲気。大きさの違うものがいくつかある
岡本太郎記念館にも午後の日が設置されている
かなりのボリュームの展覧会。とくに絵画が充実していた
エントランスの太陽の塔は何をしているのだろうか
TAROMANのおかげで、子どもたちもたくさん訪れていた


シルエットがシュール。体の細さに対し顔のエネルギーが強い
岡本太郎氏もTAROMANの誕生を喜んでくれているだろう

岡本太郎氏が掲げる対極主義。それは世の中に存在
する対立や矛盾を、調和させるのではなく強調し、
その不協和音の中から新たな想像を生み出すという
考え方。本当の調和とは、譲り合うのではなく意見
をぶつけ合う中で、意見を活かすことであるという。

今まで岡本太郎氏の絵画をみる機会は少なかったが、
今回は初期の作品から通して鑑賞できた。彫刻以上に、
絵画にはダイレクトにエネルギーが込められていると
感じる。対立と矛盾が画面上で共存し、エネルギーを
発していく。芸術は挑みであるという氏の言葉を深く
思い、岡本太郎氏の力強いエネルギーを感じることが
できた。またいつか川崎市岡本太郎美術館も訪れよう。


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