ふたたびカテリーナの森へ
田園風景の中、カテリーナの森を目指し進む。
空は明るく気持ちのよい時間。広い空の下、
自転車は風を切って進み、会場へ到着する。
カテリーナの森は、田園風景の中に位置している。
そこにあるカテリーナ古楽器研究所では、生活と
ともに楽器が作られている。木が植えられ、山は
手入れされ、米が作られ、自然素材は音に変わる。
今回のイベントは、以下の内容で紹介されている。
会場の受付や屋台は、自然素材を組み合わせ、
形づくられている。どれも素材の特徴をうまく
使うことで、面白い空間が生み出されている。
山香文庫のご主人が手伝われているコーヒーショップ
を見つけ、改めてお礼をすることができた。ホットも
ガトーショコラも、アイスクリームも美味しく頂いた。
会場に、徐々に人が集まってくる。まずは講演会。
「カテリーナの森と古民家の価値と
コモンズへの可能性」
九州大学名誉教授 建築史家 藤原惠洋
次にbaobabのメンバーと森の聖歌隊の演奏である。
本日のイベントに、だんだんと期待が膨らんでいく。
講演が始まる。
まずは、baobabの松本未来さんのお話。
1991年に、カテリーナの森へ移住されてから30年。
自然がより身近にあり、古楽器が伝来してきたという
歴史的な背景を持つこの地を選んだ思いが語られた。
藤原惠洋先生の講演は、非常に興味深いものであった。
私たちはどこから来て今どこにいて、どこか行くのか。
我々は今、洪水に直面している。水というだけでなく
違和感という形。洪水を乗り越えた先に何をすべきか。
そして様々な題材を元に話が展開されていく。
我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々
はどこへ行くのか、というゴーギャンの絵。
ノアの方舟の絵、崩れ行くバベルの塔の戒め、
そこから、東日本大震災の話へ。そして復興。
アートを利用した復興の計画。最後に、この
カテリーナの森にある建物が持つ力と役割。
そして演奏が始まる。昨日のbaobabの音楽とは
また違った雰囲気で、古楽器から奏でられる音、
生み出されるリズムを楽しんだ。森の聖歌隊も
加わり、古楽器が伝来してきた風景を垣間見た。
カテリーナの森でのイベントも終わり、山香から
宇佐駅に向かう。辺りはすっかり暗くなっている。
昨日の朝一に降り立った駅に戻ってきた。大分の
国東半島の魅力を味わった昨秋の2日間であった。
今回は、いきあたりばったりの感が否めない。
といっても結局、計画よりも当日の気分で時間
配分も変わってくる。余裕のある旅もよいが、
ついいつも詰め込み気味に。でもそれも楽しい。
また、いろんな出会いを求めて旅をしよう。