カラーマッチングとカラーマネジメント 恋にシステムはタブー
カラーマネジメントのお話を続けます。
私の出身は印刷現場ではなくDTP部門なので、どちらかというとデザイン・制作よりのカラーマネジメントの話になります。
今回は、カラーマネジメントの目的を深掘りしていきます。
細かい話をする前には、まずは大ぐくりの目的を整理する必要があります。
デザイナーやカメラマン、アートディレクターなど印刷物を企画デザインされている方々は、Adobe IllustratorやPhothoshopで作成したデザインの色が、実際印刷すると思った感じと違ったものになり、、、、、
また逆に印刷現場の方々はせっかく綺麗な印刷物を作成し、納品したら色が違うとクレームが入る。。。。
印刷に関わる方々はここだけでは語り尽くせないほど多くの色に関す得るトラブルとリスクを抱えています。
これらを解決するには、印刷製造工程の各カラーデバイスを、すべてカラーマッチングさせる必要があります。
例えばデザイナーのモニターに表示される色とカンプを出力するためのプリンター、さらに本生産をするオフセット印刷機をそれぞれカラーマッチングさせれば、
あらかじめ最終印刷物の色を、各工程が予測することができ、色に関するトラブルは撲滅できます。
しかし、この連載が扱っているのは、「カラーマッチング」ではなく「カラーマネジメント」です。
この二つのは明らかに違います。!!
カラーマッチング:デバイス1台・1台を個別に調整し、それぞれのデバイスのカラーをマッチングさせた状態。
カラーマネジメント:ヒトの色の見た目を、数値で指定・伝達可能とし、それぞのデバイスの状態を安定させ、出力可能な色の中でなるべく指定に近い色を、安定的に出し続けるようにするための仕組み。
大きく違うのは、カラーマッチングが状態であり、カラーマネジメントが仕組みであるということ。
「状態」はただのまさに状態であり、それを実現・維持させる方法は自分で考えないければいけません。
「仕組み」とは辞書で調べると、 「事をうまく運ぶために工夫された計画」でその裏には、「いつでも、どこでも、誰が行っても同じ成果を出せる方法」とうい意味があります。
カラーマネジメントシステムは方法であり、カラーマッチングの実現・維持を行うための、仕組み・システムなのです。
その仕組みはもちろんユーザーが自力で作るのではなく、ISOや各業界団体組織・メーカーがアライアンスを組み、作成・改良・維持をしています。
このように、各デバイスやソフトウェアでごとに色の取り扱いが標準化され、実際のソフトウェア・ハードウェア製品に実装されています。
アドビのソフトウェアのカラーマネジメント設定なんかもこれら実装の中の一例です。
これらすべてのデバイスのシステムをむずびつけることにより、カメラ・モニタ・プリンタ・印刷機・ソフトウェア等で、正確で一貫性のある色をマネージできるようになます。
私たちはそのシステムを理解して正しく使うことで、正しく色を扱うことが出来るのです。
これがカラーマネジメントシステムの全貌です。
今日はここまでにします。次回からは実際にどう色指定を数値化するかという話に入っていきます。
仕組み・システム、素晴らしいですね。ビジネスにおいては最強のツールですね。
また最後に話をそらします、私は、新進気鋭のハルキスト(村上春樹ファン)です。
「ノルウェイの森」で主人公の学生寮の先輩のである永沢、は東大の学生で、軽々と官僚になってしまうほどの秀才です。
彼はとても変わった性格で、彼女である初音さんに彼と彼女の関係をシステムという言葉を使って説明します。その結果、彼女にぶち切れられるシーンを思い出しました。
さすがに女の子に好きな理由を「僕のシステムは、、、」で説明したらだめですよね。僕でも分かります。
仕組み・システムの説明はビジネスだけにしましょう。。
しかし、そもそも私たちの子孫繁栄・種保存の方法は恋愛というシステムで成り立っている事実もあります。
生きるって難しい。。今日もお粗末様でした。