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Adobe CC カラー設定 後編 GAFAではなくGAFAAでも
Adobeカラー設定の右半分のお話に戻ります。CM開けということで、この音からです。
![](https://assets.st-note.com/img/1639287596007-MbjoPAFRab.jpg?width=1200)
変換オプションに入ります。
変換方法:カラーマッチングモジュール(CMM)を選択できます。インストールされるOSごとに選択出来るCMMは違いますが、Adobe(ACE)はどちらのOSでも選択できます。下記は、Window10にインストールされたPhotoshpでの表示なので、Microsoft ICMが選択出来ます。
![](https://assets.st-note.com/img/1639287702957-ElBAF21px6.jpg)
CMMに関しては、下記ページを参照してください。
マッチング方法:レンダリングインテントのことです。同じく詳細は、以前の私の連載をご覧ください。
![](https://assets.st-note.com/img/1639287800446-m0UB0mdgAf.png)
ここからは、3つのチェックボックスについて説明します。
![](https://assets.st-note.com/img/1639287878930-UfnFIi4wTZ.jpg)
黒点の補正を使用:チェックを入れると、ソースプロファイルの最も暗い部分を、ディスティネーションプロファイルの最も暗い部分にマッピングします。これはソース・ディスティネーションそれぞの再暗部が必ずしも等しくないから必要となります。ソースの最暗部の方が暗かった場合、ディスティネーションへ変換した際に、再現できなかった暗い部分はすべてカットされ階調を失います。それを防ぐために、ソース→ディスティネーションの最暗部のマッピングを行います。
ディザの使用(8-bitチャネル画像):ディザとは、少ない色数で画像を表現する際、異なる色のピクセルをバラバラに混ぜて配置することで中間色を表現する手法です。ピクセルを十分小さくすることにより、人間の目には中間色に見えるのです。ディスティネーションがソースよりガモットが狭い場合、変換後ディスティネーションのガモット外でバンディングを起こしてしまうことがあります。ここにチェックを入れてディザを使用することにより、少ない色数(狭いガモット)で、広いガモットを表現できるようになり、バンディングが目立たなくなります。
シーン参照プロファイルの補正:詳細は割愛しますが、After Effectとのカラーマネジメントとの互換性を保つためのチェックボックスです、印刷での影響は少ないでしょう。
高度なコントロールに入ります。
これも3つのチェックボックスで構成されます。
![](https://assets.st-note.com/img/1639288014928-ZOP4VuEKxK.jpg)
モニター色域外のカラーを表示(彩度を下げる):現在表示しているグラフィックがモニタのガモットを超えている場合、超えている部分はどんなに正しくキャリブレートされたモニタでも正しく表示されません。その部分をわかりやすいように、指定された値だけ彩度を下げて表示させます。
RGB カラーブレンド部分をガンマ補正:RGBモードのデータをレイヤーで重ねる場合の、アンチエイリアスの見え方に影響を与えます。ガンマとはここで説明を始めると長くなるので割愛しますが、簡単にいうと画像の明るさを制御するものだとお考えください。明るさの設定が変更され、アンチエイリアスの処理方法が変わるということです。
テキストカラーブレンド部分をガンマ補正:テキストとして保存されたテキストと、ラスタライズされたテキストのアンチエイリアス処理方法が区別されます。これも「RGB カラーブレンド部分をガンマ補正」と同様、レイヤーで重ね合わせる場合の合成方法で、明るさの設定が変更されアンチエイリアスの処理方法が変わります。下記のサイトで違いが確認できます。
最後にひとつ大切なこと、すべてのAdobe CCアプリケーションでこのカラー設定を合わせる必要があります。Adobe CCにはBridegeというアプリケーションがあり、これで全アプリのカラーセットを同期することが出来ます。
https://helpx.adobe.com/jp/acrobat/using/keeping-colors-consistent.html
同期されると、それぞれのアプリのカラー設定で下記のように表示され、安全に設定されていることが確認出来ます。
![](https://assets.st-note.com/img/1639288339590-QvnxaHuLSL.jpg)
細かい説明をしてきましたが、日本における一般的な印刷条件で使用するなら、まずは「プリプレス用-日本2」を設定し、必要に応じてカスタマイズをするのが良いと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1639288361273-CG9hSl4jHY.jpg?width=1200)
やーーーーーっと、最後までたどり着きました、右半分なかなかヘビーです。私自身今まで避けて通ってきたガンマ補正なんかも調べながら、なんとか最後までたどり着きました。
このAdobeのカラー設定はよく出来ています。Adobeでこのカラー設定がほぼ確立したのが、Indesign 1.0/Illustrator 9.0/Photoshop 6.0あたりからです。
これらの発売は2000年と、約21年前の話になります。この間いくつか設定が追加されたものの、ほぼ原型は変わりません。
変化が激しいテクノロジーの世界で、21年もの間維持できるシステムといのは、改めて考えてみるとものすごいものです。
Adobeがクリエイティブアプリケーションの分野を寡占しいることも、このカラーマネジメントシステムの長期安定の維持に大いに関係しているかと思います。
われわれグラフィックアーツ業界にとっては、GAFA(ガーファ)も最後にもう一つAdobeのAを足して、GAFAA(ガーファー)にしてもいいくらいだと思います。
来期で球団史上最長の16年となる、巨人原政権に敬意を表しつつ、このブログを閉じたいと思います。
本日もお粗末様でした。