魅力的なキャラクターの作り方③

前回に続き、「魅了的なキャラクターの作り方」というテーマで書き進めて行きます。

今回は、キャラクターの要素に関してです。

フロッギーの連載でも書いてますが、私は「外的要素」と「内的要素」に分けて整理します。つまり目に見える要素と目に見えない要素です。

そして重要なのは内的要素です。私が特に重要だと考えているのは「心の底から求めているもの」「心の底から恐れているもの」の二つです。

こちらはコインの裏表になっていることが多く、両方必要というよりは、どちらかの面がちゃんとイメージできれば十分です。

それはそのキャラクターの「コア(核)」とも言えるもので、それとキャラクターを構成する要素がかみ合うことが何より重要です。

この核となる内的要素をストーリーの中での内的な目的、あるいは内的な乗り越えるべき課題(障害)という形で表したものが「内的CQ」と呼んでいるものです。

つまり、「主体は心の底から求めているものを手に入れることができるだろうか?」あるいは「主体は心の底から恐れているものを乗り越えられるだろうか?」というのがストーリーに対する期待と、クライマックスで描かれることになるということです。

私が常々重要と話している「CQ(セントラル・クエスチョン)」というものは基本的に外的なものです。具体的な目標や障害が設定されて、その目的が叶えられるかに沿ってストーリーは進んでいくわけですが、その内側にある真のドラマカーブと言えるものが、この内的CQによって作られていることも多いです。

例えば外的CQが「起業を成功させる」という主人公がいたとして、その内側にある目的は、いくつもの可能性があります。

・承認欲求を満たしたい
・貧乏だったらトラウマを克服したい
・ライバルに勝ちたい

元々は内的CQがあって、それが外側に表出して外的CQとなるわけですが、キャラクターにとって、そしてドラマにとってより重要なのは「内的CQ」であることは間違いがありません。

実際には内的CQを持たずに進むエンタメ要素の強い作品もたくさんあるので、内的CQが絶対に必要とは限らないのですが(例えば、探偵ものでは必ずしも探偵に強い内的動機がない場合もある)、私にとっては「ストーリーとは内的CQを描くために存在する」と言っても過言ではないくらいです。

キャラクターの外的要素や内的要素を考えるのも、結局はこの内的CQを定めるためとも言えるのですが、一方でキャラクターを作るときに、ここが簡単に見つからないことも多いです。

むしろキャラクターの真髄とも言える「内的CQ」を見つけるために、外的要素や内的要素、あるいはストーリーの中での役割や他のキャラクターとの関係性を構築ながら、少しずつ外堀を埋めていき、次第に内的CQらしきものが見えてくるのではないかと思ったりしています。

次回はキャラクターとストーリーの関係から、魅力的なキャラクターとは何か?について掘り下げていきたいと思います。

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