『「物語」の見つけ方』執筆後記⑤〜世界観とは何か〜
「夢中になって生きよう!ストーリーの作り方を学べばそれはできる」というコアメッセージを定めてから、全体的に書き直しは、結果章立ては下記のようになりました。
1章:誰の人生にも「物語」がある―「ストーリー」の話
2章:何を目的にすれば、夢中で生きられるのか―「CQ」の話
3章:人生の展開をどのように描いていくべきか―「構成」の話
4章:人生の登場人物たちとどう向き合っていくか―「キャラクター」の話
5章:なぜ「物語」は、私たちの心を動かすのか―「共感と感動」の話
6章:「物語」を見つけた人が手にするもの―「世界観と自由」の話
自分なりに苦労したのは、やはり終盤の方になります。共感や感動の話は、前にも書いたことはあったのですが、それを今回さらに詳しく掘り下げました。
そして6章「世界観」の話は、おぼろげと自分の中に考えていることはあったものの、締め切り間際まで考えを煮詰める必要がありました。
「世界観」は最近ではよく聞く言葉だと思います。特に「IP(Interllectual Propery:知的財産権)」と言われるマルチに展開できるオリジナルタイトルの開発が重要になってきている中では「世界観」は欠かせない要素です。
それは「世界観」がしっかりあれば、そこに人を惹きつけ、色々なキャラクターやストーリーが展開できるからです。その意味では、エンタメ業界では「ストーリー」→「キャラクター」→「世界観」と重要度の比重が移っているとすら言えるかもしれません。
一方、「世界観」は定義が曖昧で、ちゃんと言語化されているのを私は聞いたことがありません。ですので、最初は5章のラストにおまけ的にあった「世界観」のブロックを加筆して、6章という形にしました。私にとっても挑戦であり、生き方においてもこの概念は重要だと思ったからです。
「世界観」は「夢中」とも連続性があり、最終的に、「CQ」「世界観」「スタンス」などの概念を体系化し、それが「物語が見つかる瞬間」や「夢中になっている時」とどう繋がっているかなどをまとめたのが本書のゴールと言えます。
知識だけでは夢中に生きることはできません。しかし、ただがむしゃらに頑張ればいいというわけではないと思っています。知識と実践の両方が必要であり、安心してそこに全力を注げるための本になればと思いました。
6章では、さらに抽象度を上げて「型と自由」などの話もしていますが、自分の思考の集大成だと思って、少々の破綻があっても情熱をもって書き切ろうと決めていました。それが少しでも伝わればと願っています。(続く)