
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」という体験
ダイアログ・イン・ザ・ダーク神宮外苑「内なる美、ととのう暗闇。」を体験してきた。
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」というのは、ドイツ発祥のプログラムで、世界中で開催されている「真っ暗闇のエンターテイメント」だ。完全に光を遮断した”暗闇”を探検し、視覚以外の様々な感覚、コミュニケーションを楽しむのだが、そこにはたくさんの学びと気づきがある。
過去に二度行っているのだが、今回、神宮外苑でのプログラムは終了するということで、再び体験したくて、最終日に行ってきた。
ちなみに、過去の感想ブログはこちら
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」の感想_2010-11-13
https://ameblo.jp/yasuhito19751214/entry-10706025503.html
『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』から得た深い気づき_2017-06-15
https://ameblo.jp/yasuhito19751214/entry-12284094473.html
真っ暗な空間には、芝生があったり、砂利道があったり、木も生えていれば、水も沸いていた。そこを裸足になって、手探り、足探りで進んでいく。
視覚をシャットダウンされた状態で、他の感覚が敏感になる。竹から流れ出てた水たまりに、手を浸した時の感覚はいつものそれとは全く違った。
「あれっ、水ってこんな感覚だったんだ」「手の甲から浸すのと手の平から浸すのも全く感覚が違う」
原初の記憶を辿る。そんな感覚もあった気がする。
今回は、会場に入る前に自分で握った「おにぎり」を食べた。お米を噛み締めると、いつもにはない甘味を舌が感じる。その後に飲んだ「三年番茶」も美味しかった。日本食は落ち着く~と素直に思った。
3回目の今回にして、個人的に思ったのは、暗闇の中で感じた「自由」のこと。
これまで2回では、暗闇の中で感じる本能的な不安から、ちょっとしたことで得られる手応えや安心感が強かった。それは「生の実感」とも言えるものだった。
今回は驚きは減っている分か、暗闇空間の中でリラックスできた。初対面の人もいる8人の中で、「みんなと繋がっていたい」という気持ちと「このまま一人で静寂を味わいたい」という気持ちがあった。
この矛盾した2つの感覚は、ここ数年に強く感じているものだろう。「世界と一体化したい」↔︎「世界から自立したい」。
暗闇の中で、人目を気にしなくて良くなる、自分すら自分の境界線が曖昧になる。そんな状態で緩むものがあった。このまま、融けてしまいたいという気持ちがあった。
ともかく多くの人に薦めたい素晴らしいプログラムだ。竹芝の会場では、引き続き体験できるそう。ぜひ行ってほしい。
https://did.dialogue.or.jp/
余談
数日前に、東京ドームシティ内にある『Space Travelium TeNQ』に行ってきた。
https://www.tokyo-dome.co.jp/tenq/
ここは、“宇宙旅行”をテーマに、展示やリアルなVR体験を楽しめる宇宙エンタメ施設だが、メインは月旅行を体験できる「宇宙旅行VR(ヴァーチャルリアリティ)」だ。
https://www.youtube.com/watch?v=8ghadmlGfmM
これはとても面白かった。宇宙とVRはとても相性がいい。
そしてこの体験と『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』を同じ一週間の間に体験したことはとても有意義だった。
視覚を遮断する「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」と、視覚をハックする「宇宙旅行VR」。この対比はとても面白かった。
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」で感じる宇宙もある。それは「宇宙旅行VR」とは全く別物だが、どこかでは繋がっているかもしれないとも思う。
人は最後には「宇宙」に行き着くのかもしれない。